まるで「ジャッキー・チェン×ボリウッド」なバトルに民族衣装が“映える”！『ポライト・ソサエティ』デザイナーが語る格闘シーン誕生秘話

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2024.08.19

ライター：#ニュース編集部

まるで「ジャッキー・チェン×ボリウッド」なバトルに民族衣装が“映える”！『ポライト・ソサエティ』デザイナーが語る格闘シーン誕生秘話 — 『ポライト・ソサエティ』©︎2022 Focus Features LLC. All rights reserved.

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「過度にセクシュアル化された制服は、映画のメッセージ性と衝突する」

サンダンス映画祭で批評家、観客双⽅からの絶賛を浴びて、⾒事＜英国インディペンデント映画賞＞最優秀新⼈脚本家賞を受賞した『ポライト・ソサエティ』。あのバラク・オバマ元⽶国⼤統領の2023年お気に⼊り映画にも選出された、新感覚の⻘春バトルアクション映画だ。

本作は、キュートなプリーツスカートやシルクと刺繍で仕⽴てられた艶やかな伝統⾐装など、ダイナミックに宙を舞う美しい⾐装の数々も印象的。

バトル中でも⾐装にどれだけの動きがあるか、そしてキャラクターが戦ったときにどのように⾒えるかについてたくさんの⼯夫を重ね、その結果、バトルシーンの⾐装の動きはとても美しいものになりました。

そう振り返るのは、本作のニダ・マンズール監督とは先述の『～レディパーツ！』以来、２度⽬のタッグとなる⾐装デザインのPC・ウィリアムズだ。

ウィリアムズは、韓国ドラマから『侍⼥の物語』に⾄るまで数々の⾐装を研究し、過度にセクシュアル化された⼥⼦⾼⽣の制服は、映画のメッセージ性と衝突するので避けたかったと語る。

リアたちはまだ16歳だから、⼦どもであることを楽しんだほうがいい。ですから、制服についてはちょっと野暮ったいけど、パンチのあるユニフォームを作りたかったのです。ソックスや袖に使われているポピーレッドと合わせて、プリーツスカートにシックなロンドングレーを使⽤することは、⼈々の記憶に残るものになると思いました。戦いの中で動く、スカートのプリーツが印象的に映えるのです。

マイノリティのバックグラウンドを持つロンドンの若い⼥の⼦たちは、⽂化的アイデンティティや住んでいる街の影響を受けています。そして、ロンドンはコスモポリタンで多⽂化的な空間なのです。

さらにウィリアムズは、⾃信に満ち個性的なZ世代のスタイルを通して、パキスタン系イギリス⼈であるリアの服装をこのように語る。

リアは地球上で⾃分が⼀番クールだと思っているようなキャラクターなので、それが彼⼥の服装にも表れるようにしたいと思いました。彼⼥は⼈々が自分についてどう思うかを気にしていません。そういった側⾯も⾐装で表現することも重要でした。

「戦闘中の衣装の動きはとても美しかった」

“ただ今、絶賛⼈⽣のスランプ中”な姉、リーナ。映画冒頭で彼⼥は、あのリズ・アーメッドも認めたパキスタンのブランド＜Rastah＞の黒いパーカーを着たラフなスタイルで登場するが、⾦持ちの御曹司と交際を進めていくにつれ、徐々にゴージャスな⾐装へと変化していく。ウィリアムズは「それらは⾒栄えはいいのですが、彼⼥が服を着ているというより、彼⼥が服に着られているのです」と説明する。

リーナは本来、このトラップのような結婚にそぐう⼈物ではありません。しかし、次第に彼⼥は変化していき、それが服装にも表れていきます。どのようにして彼⼥が“上流階級の妻”のスタイルに変化していくのかを⽰したかったのです。

ちなみに、最後にリーナが着⽤する美しい刺繍のウエディングドレスの重さは、実に35キログラムだというから驚き。⾃分の意思に⽬覚めたリトゥ・アリヤが、その重さをものともせずに、美しいシルクドレスと共に舞いながらバトルシーンに臨む華麗なアクションも必⾒だ。

⼀⽅、リアのナチュラルなスクールガールスタイルとは対照的な、肩パッドとハイヒールを履いた⼒強い姉の婚約者の⺟・ラヒーラが表現するのは、⾊彩豊かでゴージャスな階級社会だ。ウィリアムズは「ラヒーラは、コスチュームを作るのが⼀番好きなキャラクターでした」と語る。

ラヒーラはクールでファッショナブルでありながら、宗教的な背景を持ち、伝統を重んじています。私は、彼⼥が⾝につけるものすべてに⼒強さを感じてほしかった。そして彼⼥が溺愛する息⼦のサリムは、南アジア系のディズニーの王⼦様をイメージしており、映画の中でサリム役のアクシャイ・カンナを完璧に仕⽴てることができました。