レジェンド女優が語る!「ホラー映画は観るのは苦手、演じるのは嫌いじゃない」
このたび解禁されたのは、根岸が演じた本作の人気キャラクター、祖母・春枝を映したメイキング写真だ。
1974年、つかこうへい事務所に入団し、舞台『ストリッパー物語』で鮮烈主役デビュー。『ヒモのはなし』(78)では第13回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した根岸。映画界では黒澤明、大林宣彦ら巨匠、気鋭の監督たちに愛され、TVドラマ史に輝く作品にも多数出演してきた。
白石監督は春枝役のキャスティングについて、「近年ですと偶然にも『鬼談百景』で本作の脚本を担当された安里麻里さんが監督した『影男』に出演されていて、作品自体かなり面白いんですが、ほとんど根岸さんのリアクションで成り立っていたんです。しかも根岸さんならではの味わいも出ていたので、いつかご一緒したいと考えていました」とオファーの経緯を語っている。
そんな根岸に白石監督の印象を聞くと、「白石監督は温厚でフレキシブルで、もちろんご自身の世界観を持っていますが、役者側のアイディアも受け入れてくださって。すごく穏やかな現場です」とのことで、初タッグにして相性の良さを感じさせた。
「体力、気力のありったけを、この作品に全部込めました」
これまで数えきれないほどの作品に出演してきた根岸。いまや世界的な人気ジャンルであるホラー映画の印象を伺うと、「ホラー映画は観るのは苦手ですが、演じるのは嫌いじゃないです。振り幅が大きいので、いろんな演技に挑戦できて楽しめるので」と、レジェンドならではの見解が。
「認知症の祖母」として登場する前半と、覚醒し”サユリ”に復讐を誓う祖母という後半で、大きくテイストが変わる難しい役どころへのアプローチについては、「大変な役ですが、とにかくやり遂げたいという気持ちでした。歳を感じさせない出来上がりにしたいと思っています!」と力強くコメント。さらに「体力、気力のありったけを、この作品に全部込めました!」と本作への意気込みを笑顔で述べた。
かつて春枝は太極拳の師範を務め則雄らに厳しく接していたが、現在はすっかり認知症になっている。しかし、“サユリ”によって一人また一人と家族が奪われたことで、ついに覚醒……! 風貌まで変化し、タバコをくゆらせる堂々とした佇まいは完全に別人だ。「二面性」と言うには落差が凄まじすぎる、非常に興味深い重要キャラクター春枝のファンキーなメイキング写真は、本作への期待値をますます高めてくれる。
『サユリ』は2024年8月23日(金)より全国公開