名優ユアン・マクレガーと実娘クララ・マクレガーのW主演作『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』が現在劇場公開中だ。このたび、メイキングスチールが一挙解禁。さらに、監督のエマ・ウェステンバーグから日本の観客へメッセージ動画が到着した。
ユアン・マクレガー&クララ・マクレガーW主演作
2023年「サウス・バイ・サウスウエスト映画祭」で上映され注目を集めた本作は、ユアン・マクレガーと実の娘で俳優・プロデューサーのクララ・マクレガーが、W主演で親子役を演じた父娘の絆を描いた感動作。実際に問題を抱えた時期のあったマクレガー親子がその経験を乗り越え、父と娘の“愛と回復への旅の物語”を完成させた。今年、映画デビュー30周年を迎える英国を代表する名優ユアン・マクレガー。実生活では長年連れ添った妻との離婚、再婚によって娘クララとの親子関係に問題を抱えていたユアンだが、そんなクララが最愛の父へ送った1つのラブレター(脚本)をきっかけに本作は生まれた。
次女エスターがカメオ出演!
貴重なメイキングスチールが一挙解禁となった。中でも目を引くのは、マクレガー家の仲睦まじい3ショット。本作の主演であるユアン・マクレガーとその長女クララ・マクレガーが抱き抱えるのは、次女エスター・ローズ・マクレガー。奇抜なファッションとヘアスタイルでカメオ出演している。
エスターは、俳優・モデル・歌手として活躍するユアン・マクレガーと前妻イヴ・マヴラキスの間の次女で、父ユアンの主演ドラマシリーズ『オビ=ワン・ケノービ』にもカメオ出演していた。本作ではどんな役を演じているのか?
「家族を描いた、誰でも物語に参加できるような映画です」
「本作が日本の映画館で公開されることに、とても興奮しています!家族を描いた、誰でも物語に参加できるような映画です」と笑顔で日本の観客に語りかけるウェステンバーグは、アメリカ・カリフォルニア州出身のオランダ人女性。本作が長編監督デビューとなった彼女のキャリアは華々しく、アムステルダムの有名な美術大学ヘリット・リートフェルト・アカデミーとニューヨーク・マンハッタンにある難関校で著名人を多く輩出している芸術大学クーパー・ユニオンの両方を卒業し、ドラマ、MV、有名ブランドのコマーシャルの監督を多く手掛けている。ジャネール・モネイの「PYNK」のMVでは、グラミー賞最優秀監督賞にノミネートされた。
本作のオファーを受けた際の心境をウェステンバーグに伺った。「本作の脚本をもらった時は、すでにユアンとクララが参加することが決まっていたので興奮しました。私は皆さんがそうであるように、ユアンの大ファンです。『ビッグ・フィッシュ』(ティム・バートン監督)や『ムーラン・ルージュ』(バズ・ラーマン監督)などを観て育ってきましたし、史上最も好きな俳優の1人です。また製作にキラー・フィルムズ(トッド・ヘインズら有名監督作を多く手がけるNYの映画スタジオ)が参加しているということも魅力的でした。なにより脚本を読み終えた時、自分と通じるものがあって、自分だったらこの物語は語れるという確信がありました」
ウェステンバーグをはじめ、脚本はクララ・マクレガーを含めた女性3人で執筆し、主要スタッフは若手の女性チームで形成されていることが本作の特徴でもある。そのことについてウェステンバーグは、「トータルのスタッフは50/50の男女比だったのですが、各部署のヘッドは確かに全員女性でした。これは素敵な体験だったと思います。ただ私は、年齢的にもジェンダー的にも色んな方に参加して欲しいといつも思っています。やはり同じような環境・時代に育ったり同じような立場ですと、見方に偏りが出てきます。だからこそ、多様なものをもたらしてもらえるよう、色んな方にいつも参加して欲しいという意識で、スタッフィングしています。違いがある人たちと制作をするとなると、自ずとコミュニケーションをしっかり取らなければいけなくなります。物の見方などが違うので、より物語の中で共通していることが見えてきます。その過程がすごく面白いと思っているので意識しています」
そして本作の注目ポイントはやはり、ユアンとクララの実際の親子が親子役を演じているところだが、ウェステンバーグは当初、このことがもしも2人を控えめにさせてしまったら、もしくは過剰にさせてしまったら…と懸念したと言う。「クララのことは元々知っていたし、役のキャラクターについても彼女と話し込んでいました。初期段階でユアンにお会いした時も、2人は密にコラボするプロフェッショナルなのでそういった心配はすぐに消えました。むしろ現場では実際の親子だからこそ、より重層的になったような気がします。なので、実際の親子であることはとにかくプラスに働いていたと思います」
続けてユアンとクララの仲睦まじい様子についても、「車内のシーンが多い作品だったので、テイクの間リセットする時に2人は 車内で待機することが多かったのですが、ユーモア溢れる2人なのでよくふざけあっていました。すごく素敵だなと思って眺めていました。そして撮影中には、2人の間の愛情をものすごく感じることができたのと同時に、1人のプロデューサーとして作品を作り上げている娘、さらに役者として主演も務めている彼女を支援しているユアンの姿から、誇らしさを感じ取ることもできて、それも素敵だなと強く感じています」と語る。
劇中では、ユアンとクララが2人で熱唱したり、はたまた涙ながらに気持ちをぶつけ合うシーンなど、親子の様々な表情が見られる。一時は関係性が悪くなり、疎遠だった時期を乗り越えた2人だからこそ、傷付いた父娘の役柄を限りなくリアルに演じ、本物の愛情がスクリーンの向こうから伝わってくるよう。注目の気鋭ウェステンバーグの生み出す、古典的さとポップさが融合した、鮮やかで独特の世界観も見どころだ。
『ブリーディング・ラブ はじまりの旅』は全国公開中