警察コメディの系譜
いわゆる“警察コメディ”は映画/ドラマの定番ジャンルとして、チャップリン作品などを除けば60年代あたりからさかんに作られるようになった。
あの人気キャラを生み出した『ピンクパンサー』シリーズ(1963年ほか)やジャン・ジロー監督のフランス映画『大混戦』(1964年)にはじまり、80~90年代には『ビバリーヒルズ・コップ』(1984年ほか)、『バッドボーイズ』(1995年~)、『ラッシュアワー』(1998年ほか)など“バディもの”が大ヒットしシリーズ化。『ターナー&フーチ/すてきな相棒』(1989年)や『K-9/友情に輝く星』(1989年)など動物ものも好評を博した。
もちろんスタローンの『刑事ジョー ママにお手上げ』(1992年)、シュワルツェネッガーの『キンダガートン・コップ』(1990年)と、2大筋肉俳優もそれぞれピンで警察コメディに挑戦。2000年代に入ると『ホット・ファズ』(2007年)や『アザー・ガイズ』(2010年)など、映画ファンがニヤリとするような笑いを詰め込んだ作品も登場する。
世知辛い日々に『ポリスアカデミー』を!
しかし、ある一定以上の世代にとっての警察コメディといえば、やはり『ポリスアカデミー』シリーズではないだろうか。1984年から1994年にかけて全7作という人気シリーズで、当時ひっきりなしにテレビ放送されていたことが思い出される。なかでも“ハリウッドの江戸家猫八”ことマイケル・ウィンスローの「音マネ芸」は日本でも大好評で、テレビCMにも出演していた。
ウィンスロー演じる声帯模写野郎ジョーンズや、非行が過ぎて警察学校に入学させられたマホーニー(スティーヴ・グッテンバーグ)を中心に、ぶっ飛んだ生徒たちが巻き起こすドタバタを描いた“警察版ドリフ”とでも言うべき『ポリスアカデミー』シリーズ。
ほか主要キャラクターは、とにかくデカくて怪力のハイタワー(ババ・スミス)、度が過ぎるミリオタのタックルベリー(デヴィッド・グラフ)、ドジの連鎖を生み出す所帯持ちの迷惑男ファックラー(ブルース・マーラー)などなど、絶対に警官にしてはいけないようなヤツばかりだった。なおシリーズ4作目にはデビュー間もないシャロン・ストーンも出演している。
『ポリスアカデミー』『ポリスアカデミー2 全員出動!』『ポリスアカデミー3 全員再訓練!』『ポリスアカデミー4 市民パトロール』
CS映画専門チャンネル ムービープラス「黄金のベスト・ムービー」で2024年7月放送