愛と支配をめぐる大胆不敵な3つのストーリー
先日行われた「第77回カンヌ国際映画祭」で、ジェシー・プレモンスが見事【男優賞】を受賞し、カンヌでの無敗記録を更新したヨルゴス・ランティモス監督。未知の衝撃と映画体験を送り続ける、ランティモス監督渾身の最新作に早くも注目が集まっている。
本作では、3つの物語の中で、同じキャストがそれぞれ異なるキャラクターを演じている。スポーツカーを走らせ、「見つかった」と笑顔のエマ・ストーンから始まる本映像では、病室で遺体を目の前に、何かを始めようとするハンター・シェイファーや、ウィレム・デフォーとホン・チャウの行う怪しげな儀式にストーンやプレモンスが参加している場面、続いて「俺たちに危険が迫ってる」というプレモンスのセリフとともに、どこか不穏さを感じさせる映像がフラッシュカットで映し出されていく。
本作は、それぞれ独立した物語から構成されているが、“愛”や“支配”といった共通のテーマが存在し、それらがランティモス監督のただならぬ独創性によって大胆不敵に描き出されている。3つの物語の中でストーンはシンプルなスーツスタイルで儀式を見守る姿や、ゴージャスなミニワンピースを身に着ける妖艶な姿を見せ、プレモンスは、ある場面ではデフォーへ愛を告げ、別の場面ではストーンに警官のこん棒で殴られるなど、それぞれに異なる姿を見せている。果たして彼らはどのようなキャラクターで本作の物語を描き出すのか。俳優陣の見事な演じ分けにも注目だ。映像の最後には、ドライブを楽しんでいる(?)犬たちの姿も。いまだ謎多き映像の数々に、ますます期待の高まる本予告となっている。
本ポスタービジュアルは、それぞれのキャラクターを捉えたカット…と思いきや、自らの顔を“マスク(仮面)”に仕立てた、斬新すぎるデザイン。ポスターには、想像を絶する本作の物語を捉えた「脳をかき乱す傑作」「心底、痛快」という映評が添えられ、見る者に未体験の衝撃をもたらす、前例なきランティモスワールド到来を感じさせるビジュアルとなっている。
『憐れみの3章』は9月27日(金)より全国公開