五輪に盛り上がる仏パリが“排除したい”ものとは?住民たちのリアルな声を収めた『バティモン5 望まれざる者』新メイキング映像解禁

「この映画のおかげで、ようやく気づいてもらえる」
このたび解禁されたメイキング映像を手がけたのはラジ・リ監督も所属する、気鋭アーティスト集団<クルトラジュメ(Kourtrajmé)>。同じくバンリュー映画の傑作『憎しみ』(1995年)のマチュー・カソヴィッツ監督や主演ヴァンサン・カッセルらも支持し、2020年にはNetflixフランスがパートナシップを結ぶなど、今もっとも注目を浴びるアート・コレクティブのひとつだ。
粗いハンディカム映像で構成されたこのメイキング映像は、『レ・ミゼラブル』の脚本にも参加したジョルダーノ・ゲデルリーニの発言から始まる。
いつも現実から着想を得るが、映画はそれを凝縮し、多少大げさにする。物語に引き込み感情を動かすためにね。
今回は<ある市長>から着想を得た。住民や住宅を変えようとした人物だ。

『バティモン5 望まれざる者』© SRAB FILMS – LYLY FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – PANACHE PRODUCTIONS – LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023
そんなゲデルリーニの言葉を発端に、俳優、エキストラ、制作スタッフら様々な立場からの、無情な現実に対する本音が続く。
「都市の富裕化が問題だ。すべての建物を新しくすることで、住民さえも再開発しようとしている。本来は社会全体を変えるべきなんだ」
「どこへ行けば落ち着いて暮らせる?」
「同じ国や地域に住んでいても、ここの存在を知らない人が大勢いる」
「この映画のおかげでようやく気づいてもらえる、こんな人々がいるってね」
「住民ではない人たちにとって、この手の作品はただの映画だろうね。でも現実なの」
「大げさな表現なんてひとつもない。それを映すべき」
映画を作り、活動することで<現実の世界>が変わっていくことを信じる――同地をよく知る人々や、実際に暮らしていた住民たちのリアルな想いをとらえた、胸に迫るメイキング映像となっている。
五輪に沸く花の都パリの知られざる“暗部”を炙り出す
移民たちの居住団地群の一画=バティモン5の一掃を目論む「行政」とそれに反発する「住人」による、“排除” vs “怒り”の衝突。本作では、恐れと不満の積み重ねが徐々に両者間の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していく様が息もつかせぬ緊迫感で描かれる。このコミュニティ内にある「権力」「革新」「暴力」の3つの視点を交錯させることでバンリュー地区の実態、ひいては花の都パリの知られざる“暗部”を炙り出していく。

『バティモン5 望まれざる者』© SRAB FILMS – LYLY FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – PANACHE PRODUCTIONS – LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023
この街で不都合なものとは一体何なのか、望まれざる存在とは何を指すのか――その真髄を映し出した本作は、まさにラジ・リ監督の真骨頂と言えるだろう。2024年夏季五輪を控えて盛り上がりを見せるパリ。世界的な注目を集める大都市が人知れず抱え続ける問題をサスペンスフルかつエモーショナルにクローズアップした、今こそ観ておきたい衝撃作だ。
『バティモン5 望まれざる者』は新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中
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#ラジ・リ監督 最新作
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