『月曜日のユカ』(1964年)
舞台は横浜。ユカは、初老のパトロンと同世代の恋人を持ち、誰にでも体を開くが、キスだけは決して許さない。そして、パトロンとの逢瀬はいつも月曜日だった。男を悦ばせることのみが人生の生甲斐という“妖精”のような女の姿を描いたドライで刹那的な青春ラブストーリーの秀作。当時21~22歳の中尾はいま観ても超イケメン。
『真昼の誘拐』(1961年)
夏休みの学生グループが、ふとした思いつきから起した金欲しさの少女誘拐が、やくざの介入で思わぬ大事件に発展していく、異色青春ドラマ。『月曜日のユカ』以前の中尾の映画出演作であり、共演の高橋英樹とは日活ニューフェイスでほぼ同期だった。
『内海の輪』(1971年)
『内海の輪』(1971年)大学で考古学を専攻する宗三(中尾彬)は、年上の女・美奈子(岩下志麻)と不倫を重ねていた。彼女はかつて兄の妻だったが、離婚を決意した夜、宗三に体を与えた。三ヶ月に一度、激しい愛欲に燃える二人。だが、破局は突然やってくる。それぞれのエゴが愛の均衡を崩し、やがて殺意に変わっていく。
『本陣殺人事件』(1975年)
山村の旧家の一室で、婚礼の夜、当主と新妻が殺される。二人が殺された離れの周りは雪が積もっていて足跡ひとつない。金屏風には三本指の血の跡が残っており、凶器の日本刀が雪に突き刺さっていた……。
8ミリ、16ミリの実験映画により世界の映画祭で注目を浴びてきた高林陽一の初の商業的長編映画。原作は横溝正史。宿場の本陣という日本的家屋での密室殺人のトリックに中尾彬扮するジーンズ姿でヒッピー風の探偵・金田一耕助が挑む。70年代の横溝ブームは、この映画から始まった。
『必殺』シリーズ(1972年ほか)
池波正太郎の人気小説をベースに、緒形拳演じる藤枝梅安や藤田まこと演じる中村主水等が暗躍する、ハードボイルドな時代劇アクションシリーズ。中尾は憎々しい悪人役で度々登場し視聴者の記憶に残る存在感を発揮している。
『必殺仕掛人』(1972年):第7話
『必殺仕置人』(1973年):第6話
『必殺仕置屋稼業』(1975年):第3話
『必殺仕業人』(1976年) :第14話
『極道の妻(おんな)たち 最後の戦い』(1990年)
さよなら、戦争を忘れた男たち。女の手に拳銃(チャカ)は重かった。知られざる「極道の妻たち」の世界を描いて大ヒットを記録した人気シリーズ第4弾。ラディカルで激しい女の情念が噴出し、極妻同士が契りを結ぶ「盃」ごとやチャカを握っての女の殴り込みなど大胆シーン満載!華々しくハードなファイナルにふさわしいシリーズ最高最大の波乱が巻き起こる。哀川翔演じる根津や中尾演じる田所の最期は壮絶。
『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』(1997年)
金田一耕助の孫である一(はじめ)は同じ高校に通う幼なじみの七瀬美雪をパートナーに、じっちゃん譲りの推理力を発揮し次々と難事件を解決してきた。ある日、一たちのもとに一通の手紙が届く。それは美雪の文通相手で上海に住む中国人少女・レイリーからのもので、「父親殺しの罪で疑われている兄を助けてほしい」というものだった。レイリーを助けるべく上海へ向かう一と美雪だったが……。
水川あさみの女優デビュー作でもある本作で中尾は、水川扮するレイリーが所属する雑技団のプロデューサー・藤堂を怪演。かつての香港~台湾映画を想起させる上海ロケによる美しい映像も見どころだ。
『GTO』(1998年)
元暴走族、自分勝手でミーハーで本能に忠実。周囲の奴より明らかに温度が高く、言葉よりも行動が先。他の教師と違うのは子供と同じ目線でモノを見たり考えたりできること。そんなGTOこと「鬼塚英吉」が学校で繰り広げる破天荒なストーリー。中尾が演じた内山田ひろし教頭は時代を越えて世界的なネットミームに。
『ゴジラ』平成VSシリーズ(1993年~)
中尾は『vsメカゴジラ』から『vsデストロイア』まで麻生司令官、02年『×メカゴジラ』と『東京SOS』では理大臣・五十嵐隼人と、威厳が必要なキャラクターを貫禄たっぷりに演じている。
『ゴジラvsメカゴジラ』(1993年)
『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994年)
『ゴジラvsデストロイア』(1995年)
『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年)
『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003年)
『ゴジラ FINAL WARS』(2004年東宝)