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保護者の猛烈な批判、生徒の反乱、同僚教師との対立 学校の“不都合な真実”を抉り出す問題作『ありふれた教室』

保護者の猛烈な批判、生徒の反乱、同僚教師との対立 学校の“不都合な真実”を抉り出す問題作『ありふれた教室』
『ありふれた教室』© if... Productions/ZDF/arte MMXXII
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本年度「アカデミー賞」国際長編映画賞ノミネートを果たしたドイツの新鋭イルケル・チャタク監督最新作『ありふれた教室』が、5月17日(金)より劇場公開中。このたび、ドイツからイルケル・チャタク監督より、日本公開に向けたメッセージ動画が到着。さらに、本編シーンの一部が解禁となった。

学校の“不都合な真実”を抉り出す脅威の問題作

“学園もの”の映画について誰もが連想するのは、教師と生徒の心温まる交流を綴った感動作、少年少女の友情や成長を描いた青春ドラマなどだろう。ドイツから新たに届いた『ありふれた教室』は、まさしく現代の中学校を舞台にした学園ものだが、このジャンルのポジティブなイメージを根こそぎ覆す破格の問題作だ。ある新任女性教師の視点で進行する物語は、校内で発生した小さな事件が予想もつかない方向へと激しくうねり、わずか数日間で学校の秩序が崩壊してしまう異常な事態へと突き進んでいく…。

『ありふれた教室』© if… Productions/ZDF/arte MMXXII

「第73回(2023年)ベルリン国際映画祭」パノラマ部門でワールドプレミアされW受賞を果たしたのを皮切りに、ドイツ映画賞最多5部門(作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞)の受賞を達成、米映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では96%FRESHという高得点を獲得しており、世界の映画祭を席巻。さらには、本年度「アカデミー賞」国際長編映画賞ノミネートを果たした本作は、これが日本劇場初公開となるドイツの新鋭イルケル・チャタクの長編4作目にあたる最新作。

チャタク監督は、教育分野で働くさまざまな人々へのリサーチを行い、自らの子供時代の実体験も織り交ぜてオリジナル脚本を執筆した。誰にとっても馴染み深い学校という場所を“現代社会の縮図”に見立て、正義や真実の曖昧さをサスペンスフルに描ききったその試みは、ミヒャエル・ハネケやアスガー・ファルハディといった名匠の作風を彷彿とさせる。主演のレオニー・ベネシュは、ハネケ監督の代表作『白いリボン』で注目され、『THE SWARM/ザ・スウォーム』『80日間世界一周』などのTVシリーズで活躍する実力派女優。次々と重大な選択や決断を迫られるカーラの葛藤を生々しく体現した本作でドイツ映画賞主演女優賞の受賞を果たし、ヨーロッパ映画賞女優賞にもノミネートされた。

本作が追求した多様なテーマは、教員のなり手不足や過酷な長時間労働、モンスター・ペアレンツなどの問題がしばしば報じられる日本社会とも無縁ではない。教育現場のリアルな現実に根ざし、世界中の学校やあらゆるコミュニティーでいつ暴発しても不思議ではない“今そこにある脅威”を見事にあぶり出す、極限のサスペンス・スリラーが誕生した。

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