トンネルを抜けると、そこは雪国だった
映像は、長野県長野市と新潟県長岡市を繋ぐ、JR飯山線で出会ったジミーと幸次の会話から始まる。自身が台湾でアミ(清原果耶)と出会った18歳の頃を思い出しながら、「一人旅、すごいですね」と話しかけるジミーに、幸次は「よく旅って自分探しって言うじゃないですか?でも、自分は自分だし、一回きりの人生思いっきり楽しみたいんすよね、俺は」と屈託のない笑顔で答える。
トンネルの出口に近付くと、幸次がジミーを運転室前に連れていき「3・2・1」とカウントダウンを始める。その瞬間、あたり一面に真っ白に輝く雪景色が広がる。雪が降らない台湾で生まれ育ったジミーは、「ずっと見たかった」という大雪原を前に言葉にならない感動を噛みしめながら、18年前にアミと一緒に観た岩井俊二監督の映画『Love Letter』のことを思い出す…。
本作随一の印象的なシーンは、実際に運行している電車に乗って、数十秒しかないトンネル内での限られた時間で撮影されたこだわりの映像。3月14日に本作が台湾でプレミア上映された際には、一面に広がる銀世界がスクリーンに映し出されると「ワッ」と感嘆の声が場内に広がった。そんな冬の日本の景色を美しく映し取る日本パートには、「ジミーの旅路をリアルに描きたい」という藤井監督のこだわりが詰まっている。
藤井監督は、「僕たちはジミーのように実際に電車に乗って旅をしました。乗り換えで40分待ちなんてざらですし、雪が降ったら電車も止まる。そうした体験を出来たことで、ドキュメンタリースタイルで日本パートを撮影できました。とにかくリアルにこだわったルートになっているので、公開後に“聖地巡礼”を楽しんでください」とJR東日本全面協力のもと実現した本作への自信をのぞかせた。
日本の美しい景色や、旅の途中で出会う人々との交流を通して、ジミーはアミとの記憶をひとつひとつ拾い集めていく——。ジミーが旅の果てに知るアミが隠していた想いとは…?涙なしには見ることのできないジミーとアミの切なくも美しい感動のラブストーリーをぜひスクリーンで堪能してほしい。
『青春18×2 君へと続く道』は5月3日(金)より全国ロードショー