連休ボケもシャキッと醒める名作をスクリーンで
往年の名作から歴史に埋もれた珍作・怪作まで様々な映画がリバイバル上映されている昨今。全国が浮かれまくっている大型連休から順次公開される2本は、まったく異なるトーンながら観客の胸に大きな余韻を残すであろう、スクリーンで観ておきたい名作だ。
40年前にかけられた“魔法”が日本初上陸『ピクニック at ハンギング・ロック』
オーストラリアの名匠ピーター・ウィアーが1975年に発表した『ピクニック at ハンギング・ロック』は、これが日本劇場初公開。約40年の月日を経て、4K レストア版でスクリーンに美しく蘇る。
1967年に発表された同名小説を基に映画化された本作は公開当時、批評家や観客に大きな混乱をもたらした衝撃作であり、ソフィア・コッポラ監督の『ヴァージン・スーサイズ』(1999年)に直接的な影響を与えたことは明らかで、ファッション界ではラフ・シモンズやアレキサンダー・マックイーンもインスピレーション源として本作に言及するなど、今日まで広く語り継がれている神話的傑作だ。
ある晴れたバレンタインの日に、彼女たちは姿を消した――
1900年2月14日、セイント・バレンタイン・デイ。寄宿制女子学校アップルヤード・カレッジの生徒が、2人の教師とともに岩山ハンギング・ロックに出かけた。規律正しい生活を送ることを余儀なくされる生徒たちにとってこのピクニックは束の間の息抜きとなり、生徒皆が待ち望んでいたものだった。
岩山では、磁力の影響からか教師たちの時計が12時ちょうどで止まってしまう不思議な現象が起こる。マリオン、ミランダ、アーマ、イディスの4人は、岩の数値を調べると言い岩山へ登り始めるが、イディスは途中で怖くなり悲鳴を上げて逃げ帰る。その後、岩に登った3人と教師マクロウが、忽然と姿を消してしまい……。
『ピクニック at ハンギング・ロック』は2024年5月3日(金・祝)よりBunkamuraル・シネマ渋谷宮下ほか全国順次ロードショー