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リアルな“偽装夫婦”を演じるための密談
映像は、マサ(川口高志)とカナコ(森川由樹)が、とある飲食店でテーブルをはさんで向き合う場面が映し出される。マサは独身だが、危篤の実父を安心させようと、レンタルファミリーで偽物の“妻”を雇うことに。こうして雇われたのが女優のカナコだった。
互いのことをほとんど知らないままマッチングした2人は、リアルな“偽装夫婦”を演じるために密談を実施する。ぎこちない様子で相手のことを探り合う2人だが、極度の緊張や照れ臭さも相まってトイレに立ったり、お酒を一気飲みしたりと落ち着かない。やがて密談は本題に入り、“夫婦”としての“ウソ設定”をディスカッション。
夫婦の現在について「もっとロマンチックな設定のほうが良くないですか?」とカナコが提案すると、「地味なほうが信じやすくない?」とマサ。さらに偽物の“妻(偽名:スミレ)”の生い立ちについて、「大学で歴史を学び歴史家になるのが夢だった」などとありもしないウソエピソードを膨らませていくことに…。
そんななか、マサが「仕事大変そうだね。毎回違う相手を演じなきゃいけないなんて。難しそう」とカナコを労うと、「どれが本当の自分だか分からなくなっていくのって楽しいですよ」とカナコはやや寂しげな表情をみせる。偽装夫婦を成立させるためのウソにまみれた密談のはずが、相手の素顔に迫ろうとする絶妙な2人の距離感を捉えたシーンとなっている。
『夢見びと』は4月13日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
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