西島秀俊、青木崇高が黒沢清監督最新作に参戦!
今回発表されたのは、パリで精神科医として働く小夜子の元に通う患者・吉村役を演じ、黒沢監督とは『クリーピー 偽りの隣人』(16)を含む4作品でタッグを組み、「米アカデミー賞」で国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』(21)をはじめ、『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』(21)、『シン・ウルトラマン』(22)など多数の話題作に出演、日本を代表する映画俳優として国内外で注目される西島秀俊。昨年は北野 武監督作『首』(23)に出演し、「カンヌ国際映画祭」カンヌ・プレミア部門にてレッドカーペットに登場。上映後は観客からスタンディングオベーションを浴び大きな話題となった。
場面写真では、精神科医・小夜子のもとへ診察に訪れた吉村が虚ろな目でじっと何かを訴えるような姿、また小夜子の側面にぴったりと立ち、生気の無い顔で見下ろす姿が初お披露目され、西島が演じるその静かで不穏な存在が、本作でどのように観客の心をざわめかせるのか期待が高まる。
小夜子の夫・宗一郎を演じたのは、NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」(07)、NHK 大河ドラマ「鎌倉殿の13 人」(22)、映画『るろうに剣心シリーズ』、韓国映画『犯罪都市 NO WAY OUT』(24)にメインキャラクターとして出演、また「日本アカデミー賞」で最優秀作品賞、「米アカデミー賞」で視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』でも重要な役どころを好演するなど、映画やドラマを中心に活躍の場を広げる俳優・青木崇高。
場面写真では、薄暗い殺風景な部屋でパソコンに向かい、パリに住む小夜子に語りかけている姿をみることができる。しかし、その画面を見つめる小夜子の表情は氷のように冷たく、この夫婦の間に流れる溝の深さが計り知れないことが伺える。
美しいフランスのロケーションに息をのむと同時に、得体のしれない緊張がラストまで疾り続ける本作。娘を殺害された父。その復讐に手を貸し、真相をともに追い続ける精神科医。精神を病んだ日本人の吉村。そしてオンラインで登場する小夜子の夫、宗一郎。類を見ないほどの徹底的な復讐の最後に待つものは一体何なのか。色褪せることのない、一層鮮やかに色濃く描かれる『蛇の道』をスクリーンで是非見届けてほしい。
<コメント>
黒沢清監督
西島さん、青木さん、共にたった一日のパリロケでしたが、この映画に素晴らしい多様性と華やかさと、そしてただならぬ緊張感とをもたらしてくれました。現場では、柴咲さんも久しぶりの日本語の芝居でずい分リラックスしていらっしゃいましたが、いざカメラが回り始めると、互いの腹を探り合うような、お二人との不穏なやりとりに、フランス人スタッフたちもただただ圧倒されていたようです。
西島秀俊/吉村役
黒沢監督と再びご一緒できたこと大変嬉しく思います。『蛇の道』はとても好きな作品です。あの復讐の物語が再び描かれる。しかも舞台はフランスということを聞き、驚き興奮しました。私が演じた吉村は、監督が実際に会ったことのある人物にインスパイアされて出来上がったと伺い、現場で一緒に人物像を作り上げていきました。作品をご覧になる皆様に吉村という人間がどのように映るのかとても興味があります。そして柴咲さんと再び共演し、その鋭い感性と高い集中力に引き込まれる事で、小夜子と吉村の独特の緊張感を生み出すことが出来たのではないかと感じています。『蛇の道』は復讐の果てにはいったい何があるのかが描かれています。これまでに見たことのない物語が待っていると思います。
青木崇高/宗一郎役
緊張と狂気をはらんだ物語とは全く違って、現場の雰囲気は監督のお人柄が映し出されているような、とても温かく心地のよいものでした。フランスの現地スタッフに敬意を払いながら、1カットずつ丁寧に撮られる姿はとても印象的でした。主演の柴咲さんは、撮影前からしばらくフランスで生活されていたからなのでしょう、佇まいがしっかりと馴染んでいて、大変驚きました。また立ち姿がとても美しく感じました。国内外に多くのファンを持つ黒沢清監督の作品に関われたこと、同じ日本人としてとても誇らしく思いました。この映画を世界のより多くの方に観ていただきたいです。
『蛇の道』は6月14日(金)より全国公開