銃撃戦も肉弾戦も超近距離!バイオレンスの名手による本格アクションに注目
本作の監督パク・フンジョンは脚本家としても高い評価を得ている、バイオレンスとアクションを織り交ぜたノワール映画の巨匠。そんなフンジョン監督が本作では総力をあげ、これまでないバイオレンス・アクションシーンを描き出した。
劇中では繰り返しチェイスシーンと銃撃戦、格闘が描かれるが、それらはすべて“獣のような生存本能のあがき”という監督のコンセプトのもと組み立てられた。そのため、どのシーンも役者たちのリアルな呼吸を感じられるほど近距離で行われており、生々しいほどバイオレンスかつ見惚れるほど美しいアクションとなっている。
韓国映画史に残る壮絶アクションを切り取った場面写真
スタント・コーディネーターのファン・ジンモが「追う者と追われる者のギャップから生じる恐怖と絶望を表現した」と語るとおり、キャスト陣は撮影前から周到なトレーニング、本物の銃を使った射撃訓練など準備を積み重ね、ただド派手なだけではない、時に抑制的で緊張感みなぎるアクションに挑んだ。
実際、このたび解禁となった場面写真でも、ほぼゼロ距離でライフルを貴公子(キム・ソンホ)に向けるハン理事(キム・ガンウ)の必死の形相や、橋の上ギリギリまで貴公子に追いつめられるマルコ(カン・テジュ)の絶望しきった顔が確認できる。
さらに、カーチェイスをはじめとする追跡劇は入念に準備と設計が行われ、撮影監督を務めたシン・テホが「単純な追跡劇ではなく、空間理解に基づいた視覚的興奮を届けたかった」と語る通り、撮影ではどのショットもキャラクターの位置、お互いの距離感、そこから生まれる感情が把握できるアングルが慎重に選ばれたという。
そして何と言っても、圧巻のクライマックスシーン。俳優陣がフレームを埋め尽くし、入り乱れるように格闘を繰り広げるラスト数分は、韓国映画史に残るであろう壮絶なアクションとなっている。
『貴公子』は2024年4月12日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開