爽快アクション&完璧な音ハメ!
映像は、ハイスピードで疾走中の列車内で繰り広げられる切れ味鋭い爽快なアクションシーン。作家エリー・コンウェイ(ブライス・ダラス・ハワード)が、愛猫のアルフィーと共に列車に乗り込んだところ、何故かもわからぬまま突如現れた刺客たちに命を狙われることに。
絶体絶命の彼女の前に現れたのは、なんと自身が執筆する小説の主人公エージェント・アーガイル(ヘンリー・カヴィル)。アーガイルはエリーに「行くぞ」と声を掛けると、軽快な音楽に合わせて次々と目の前の刺客を一蹴。ところが次の瞬間、アーガイルだったはずの男が突如、スパイを名乗るエイダン(サム・ロックウェル)に変身!?襲い来る敵を倒すごとにアーガイルとエイダンが入れ替わる訳の分からない状況に困惑するしかなく、平和な列車内が一瞬にして殺戮の現場と化してしまった上に、目の前には正体の分からない人間がふたり……混乱の中で、エリーはどうやら瞬きをするとエージェント・アーガイルとエイダンが入れ替わることに気づくも、「何なのこれ!」と叫ぶことしかできず。何が真実で何が狂っているのか、この先に待ちうける展開もまったく予測不能。見ているほうは瞬きを忘れてしまうほどに目まぐるしくキレキレな、まさにマシュー・ヴォーンらしいアクションの幕開けにテンション急上昇まちがいなしのシーンだ。
ヘンリー・カヴィルとサム・ロックウェルは、狭い列車内で繰り広げられるこのシーンのために、お互いの動きが調和する振付を覚えたそうで、2人のアクションを目の当たりにしたハワードは、「ヘンリーとサムは全ての動きを同時に行わなければならず、精度の高いアクションだった。皆、何か月もリハーサルを重ねてきた。私に向けて演じてくれているように感じ、素晴らしい気持ちだった」と見ているだけで興奮したと言う。
アクションシーンをともに作り上げたスタントチームは、カメラを置く位置を確保するとスタントを行うスペースが限られてしまうという列車内の物理的な課題に対峙しながらも、宙返りをしたり、体への衝撃に耐えたりと迫力ある華やかなシーンを作り上げたが、その裏側には多くの苦労があったよう。ロックウェルは、難題をクリアさせていくスタントチームのスキルに目を奪われたと言い、「列車の格闘シーンは一生懸命取り組んだけれど、撮影時にスタント達の動きを見ていたら、レベルが違うほど本当に凄かった。独特のスタイルで興奮を覚え、見た目にも美しい。ジャッキー・チェンのような感じも色濃くあったね」と感銘を受けたことを明かす。
『スターダスト』(2007年)以来、マシュー・ヴォーン監督と2度目のタッグとなるヘンリー・カヴィルも、「このジャンルの中で唯一無二だった。斬新で大胆、そして危険を顧みない挑戦的な作品に出会えて爽快な気持ちになったよ。最近は良作が一つ登場すると、その後10年間はその作品に似たような作品ばかりが生み出されている。けれどもマシューの作品は決してそうではない。『ARGYLLE/アーガイル』は他に類を見ない作品だ」と本作への溢れんばかりの愛を語った。
『ARGYLLE/アーガイル』は絶賛公開中