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伝説の始まりにしてトラウマの殿堂入り
さて、『エイリアン』をしっかり観たことがない人でもうっすらと把握しているのが、本作で人類の“敵”となる地球外生命体、「ゼノモーフ」だろう。まるでペ◯スのような後頭部を持つ黒光りした巨大なモンスターだが、その進化形態もインパクト大で、とくに幼体である「ファイスハガー」と「チェストバスター」の生理的嫌悪をもよおす寄生生態と強烈なスプラッタ描写は、映画トラウマの殿堂入りレベルだ。
とくにチェストバスターのシークエンスは硬直必至の恐ろしさ。とはいえCG以前の特撮の工夫が詰まっているカットの連続なので、ぜひ目を凝らして鑑賞していただきたい。作品全体を通して見ても、決して潤沢とは言えない予算の中でSFホラー映画を撮るためのハウツーが満載だし、実際いま観てもシロート目にはどう撮影したのか見当がつかないシーンが山ほどある。
What a shot... Alien 1979 behind the scenes #alien #alienmovies pic.twitter.com/NvITqXm9vW
— Sluts and Guts (@sluts_guts) July 6, 2021
もちろん脱皮を繰り返して成体となったゼノモーフも強烈なのだが、2メートル超の巨体ではセット内を自在に動き回れなかったため、意識してみると全身がはっきると映るシーンはほとんどないことが分かる。だが、ゼノモーフの毒々しいルックスに恐怖した観客は想像力で全体像を補い、ホラーとしては大成功な結果となった。
いまテレビ画面で観るゼノモーフは、どれほどのトラウマを与えてくれるだろうか? ぜひお食事の後で、しっかりトイレも済ませてからじっくりと鑑賞していただきたい。
『エイリアン』はテレビ東京「午後のロードショー」で2月28日(水)13:40より放送
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