• BANGER!!! トップ
  • >
  • 新着ニュース
  • >
  • 「2022年の隠れベスト映画」の呼び声高い傑作『セイント・フランシス』CS放送を見逃すな!ひと夏の“子守りバイト”にアラサー女子が挑む

「2022年の隠れベスト映画」の呼び声高い傑作『セイント・フランシス』CS放送を見逃すな!ひと夏の“子守りバイト”にアラサー女子が挑む

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
ライター:#BANGER!!! 編集部
「2022年の隠れベスト映画」の呼び声高い傑作『セイント・フランシス』CS放送を見逃すな!ひと夏の“子守りバイト”にアラサー女子が挑む
『セイント・フランシス』©2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
1 2

冴えない人生から光をすくいとるユーモア

ブリジットと同世代で感情移入してしまう、もしくは過去に似たようなモヤモヤを抱えていた人にとってはズシリときそうなテーマではあるが、まずは先入観を持たずに観てほしい。きっと開始十数秒で本作が持つ“軽やかさ”に救われたような気分になり、“なんとなく”の鑑賞が秒で“前のめり”に変わるはず。さらに全編に散りばめられた細かい“チョイ笑い”ポイントが、「なんか意識高め?」みたいな先入観も取り払ってくれる。

それはオサリヴァンが、本年度アカデミー賞ほかあらゆる映画賞を席巻している『バービー』のグレタ・ガーウィグ監督の出世作、『レディ・バード』(2017年)に触発されて脚本を書き始めたという事実と無関係ではないだろう。『ハンナだけど、生きていく!』(2007年)や『フランシス・ハ』(2012年)の頃からガーウィグのド日常ユーモアは、たくさんの人の沈殿したモヤモヤから僅かな光をすくいとってきたのだ。

オサリヴァンが自身の経験もまじえて書いたという脚本には、「TPOをわきまえて」とか「カジュアルすぎる」と感じる人もいるかもしれない。でもシーン毎の“背景”を文字通りちゃんと見ておけばオサリヴァンの“意図”に気づけるようになっているし、それらが観客の違和感に対する回答にもなっている。

私たちの毎日はとにかくキツくてクソみたいなことばかりで泣きたくなるし大声で悪態をつきたくもなるけれど、もし客観的に見られたら、きっと喜劇みたいに滑稽なんだろう。それでも本作のラストシーンのように、カラリと笑えてしんみり泣ける瞬間があれば、なんとか生きていけるかもしれない……なんて思わせてくれる、生涯の大事な1本になりうる映画だ。

『セイント・フランシス』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年2月放送

1 2
Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook