成人式から1年、大人になった変化を語る
本作で描かれるのは、母エヴリン(ジュリアン・ムーア)と息子ジギー(フィン・ウォルフハード)の関係性。DVシェルターを運営し社会奉仕に身を捧げる母と、2万人のフォロワーを抱え、稼ぐことに一生懸命なオンラインミュージシャンの10代の息子。正反対の2人はお互いのことを分かり合えずに、すれ違い、ぶつかり合う——。
昨年成人式の年齢を迎え、大人の仲間入りを果たした鈴木福。この1年間を振り返って、変化などを尋ねると、「18歳になったことよりも、大学生になったことのほうが大きくて、家に帰るのがちょっと遅くなったり、友達と夜遅くに温泉やサウナに行くようになりました」とキャンパスライフを満喫しているよう。ご家族の反応を聞くと、夜遅くなるときにはちゃんと連絡していると話す。「あんまりよくないことはしないということは親もわかっていると思う」と家族間の信頼関係を語った。大学生になり大人びた鈴木に、今思い出すと恥ずかしい思春期の行動を尋ねると、「好きな子ができたらとことん言いふらしていた」と衝撃的なエピソードを披露。ただ単に言いたかったらしいが、「今思うとアホですね」と苦笑を浮かべる。
本作に登場するジギーは、ハイスクールの学生。同年代であるジギーに共感するところがあったか聞くと、「できると思いたいけど根拠がなくてわからない、そういう葛藤みたいなところはすごくわかります」と頷く。最後に本作について、「ジギーにもエヴリンにもお父さんにも共感するところがあると思うので、共感できる部分を探すのも楽しいと思いますし、逆に『あ!そういうこともあるんだ』って新しい世界が見えたりもします。それでも頑張っているジギーの姿はすごく可愛らしいと思うので、ぜひ観てくださったらうれしいです」とアピールした。
<コメント>
小林星蘭(女優・声優)
物語の距離感が絶妙で、いい意味でソワソワしました。あんなこと言わなければよかったと思う瞬間とか、お互いすれ違ってしまって少し気まずくなる空気感とか。うまく表現できる言葉に出来ないけどその感じわかる!と言いたくなるような共感性がたくさんありました。観終わったあといつもよりちょっと素直になりたくなるような、まっすぐさが心地良いお話です。
藤岡真威人(俳優)
好奇心旺盛で音楽の道を突き進むジギーと、社会福祉に勤しむ母エヴリンは、度々すれ違い、衝突するも、親子の日常は無情にも淡々と過ぎていく。誰しもが自分自身、そして相手に対しての「理想」があり、それを主張し合うのではなく、寄り添い、共感し、理解し合う事が何よりも大切なのだと。誰しもが成長過程の中で直面するであろう問題がリアルに描かれています。この作品は僕に、「心の対話」が必要だと気づかせてくれました。
ジギーと同年代の鈴木、小林、藤岡も共感を示す本作は、親世代、子供世代、どんな人の心にも寄り添う一作になるはず。ジェシー・アイゼンバーグが紡ぎだす、誰にとっても身近な“親子”の物語。身悶えするような共感にあふれた一作を、劇場で見届けてほしい。
『僕らの世界が交わるまで』は1月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開