「マンションの写真を取りすぎて腱鞘炎に……」
制作においては、オム・テファ監督との密なやりとりがあり、「リアリティ」を重視したという。
今回、最も重要だと考えていたのは“リアリティ”です。もちろん本物に見せるといったこともあるのですが、その要素の中には物語があるということを意識しました。災難はどのように起き、地面はどのようになるのかということを調査をしたり、ソウルの特定の地域をモデルに、監督とも話し合って作っていくようにしました。ディティールに関しては、マンションと一口に言っても、全部同じではなく、そこに住んでいる人たちの物語を考えながら工夫して作りました。
リアリティを追求するにあたって、「物語」を意識していたことを振り返るウン・ジェヒョン。マンションの制作についても、かなりの時間を要したようだ。
ソウルのマンションを本当にたくさん見てまわりました。見ている時に、あるマンションでは警備員に追い返されたり、写真を撮っていたら「どうしてうちのドアを撮るんだ?」と住民から言われたりしました。マンションを探し回るのも大変で、1週間のあいだ、朝から晩までずっとマンションを見てまわっていました。ずっと写真を撮っていたので、ある時指に炎症が起きてしまい、ギプスをはめなければいけなかったりと、そんな苦労をしました。
でも、ソウルのマンションにはそれぞれの物語があるんだということを実感でき、CG以外のところでソウルのマンションについて知ることができて嬉しかったです。
「大型マンションは“どんな崩れ方”をするのか?」
過酷ながらも充実感を得られたと振り返るジェヒョンはさらに、マンションをCGで表現するにあたり限界を越えた挑戦もあったようだ。
今回、大規模なセットを作ったのですが、実際のマンションの方がはるかに大きいため、撮影をしながらそのマンションの全体をCGでどう見せるかが、想像するだけでも難しかったです。実際の建築で使う3Dプログラムを活用しながら、撮影する前にそのマンションの形を認識して、事前に合成をしておきました。
そして、会社にワークステーションを設置し、遠隔でやりとりをするようにしました。会社に設置したワークステーションを遠隔操作しながら、高さはどのくらいにしたら良いのか、マンションの形状はどんなふうにしたら良いのか、ということをその都度確認しながら撮影に活かすことができました。新しい試みではないですが、一つの限界を超える試みでした。
そんな“こだわり”に加え、大災害時のマンションの崩れ方も監督と密にやりとりを行いながら作り上げていったという本作。映画館では大迫力のシーンはもちろん、CGに込められた“物語”も感じることができるはずだ。
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