エマ・ストーン「今までで一番難しい役だった」
『ラ・ラ・ランド』(16)ではアカデミー賞を始めとする各映画賞で主演女優賞に輝き、『女王陛下のお気に入り』(18)、『クルエラ』(21)でも様々な映画賞にノミネートされるなど、その比類なき活躍で世界中の注目を集め続ける女優エマ・ストーン。本作では、主人公ベラを演じるだけでなく、プロデューサーとしても企画の立ち上がりから製作に参加しており、その幅広い才能でマルチに活躍している。
映像では、天才と名高いヨルゴス・ランティモス監督に加え、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォーといった名優らがエマ・ストーンの貢献ぶりを大絶賛するとともに、彼女が挑んだ映画史上初となる前代未聞のキャラクターである主人公・ベラに迫る。人生に絶望し自ら命を絶ったものの、天才外科医ゴッドウィン・バクスターの手によって“生まれたての女性”として奇跡的に蘇ったベラを「今までで一番難しい役だった」と振り返りながらも、俳優とプロデューサーの両面から大胆かつ唯一無二の魅力を放つキャラクターを創り上げたエマ・ストーンの揺るぎない自信と確かな才能を感じられる映像となっている。
エマ・ストーンは、「2017年にヨルゴスと構想を練り始めました。“真新しい脳”を持つとどうなるのか」とこの壮大な物語の始まりを振り返る。誰も出会ったことのないキャラクターをストーンとともに掘り下げていったヨルゴス・ランティモス監督は、「ベラという役柄に驚かされました。これまでにない存在です。エマのおかげでより撮影に力が入りました」と、彼女によって本作に多くのインスピレーションがもたらされたことを明かした。
ベラというキャラクターについてエマ・ストーンは、「彼女は“あるべき姿”を教えこまれていません。それって素敵なことね」と楽し気に語って見せる。続けて、ベラを誘惑し外の世界に連れ出そうとするものの、徐々に彼女の魅力にのめり込み翻弄されていく色男の弁護士ダンカンを演じたマーク・ラファロは、「女性が生涯求められるあらゆることに彼女は縛られない。面白い展開になります」と彼女の社会の偏見にとらわれない純真無垢さが物語を大きく動かしていくことを明かした。
しかし、前代未聞の設定を持つベラを表現することは相当な胆力が必要とされることであり、本作の撮影の裏側について、自宅兼実験室であったゴッドウィンの邸宅でベラを観察していくうちにその魅力に惹かれていくマックスを演じたラミー・ユセフは、「エマはすごい。脳の成長はとても微妙なんです。撮影の順番が前後しても彼女は過程を演じ切った。声に加えて体でもね」と、“生まれたての女性”が世界を吸収しながら“自立した女性”へと成長していく様をエマ・ストーンがそのすさまじい演技力で表現したことを明かし、賞賛の言葉を贈っている。
“女性の自由についての物語”を描く本作では、ダンカンやマックス、そして天才的な外科手術によってベラを蘇生させたバクスター博士といったベラと密接に関係する様々な男性が登場するが、“ベラをコントロールしたいという男性たちの欲望”も一つのテーマとなっており、ベラと男性たちとの関わりについてエマ・ストーンは、「男性たちはそれぞれ独自のやり方でベラをコントロールしようとしますが、彼女はそれを受け入れようともしません。彼女はあまりにも自立しているのです」と語り、ベラは自由のなかで人生に熱意を燃やす存在であることを伝えた。
エマ・ストーンとともにプロデューサーとして本作に参加したエド・ギニーは、「エマはストーリーテリングに関して素晴らしい素質を持っています。プロデューサーとして、どのように物語を発展させ、どのようにそれをこの世界に生み出すかという点において、彼女は極めて重要な存在です」とベラの冒険物語において、役者としてだけでなくプロデューサーとしてエマ・ストーンの感性や才能が発揮されていることを明かす。
“生まれたての女性”として奇跡的に蘇生したベラが、真の自由と平等を見つける旅の果てにどのような結末を迎えるのか—。エマ・ストーンが惚れ込み、麗しくも大胆に創り上げた本作を劇場で確かめてほしい。
『哀れなるものたち』は1月26日(金)より全国ロードショー