「自立すればするほど、男性たちがそれに抗うのです」
映像では、エマ・ストーン演じる主人公ベラについて、エマ・ストーン自身がナビゲートしていく。人生に絶望し自ら命を絶つも、天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)の手により、この世界に再び“生まれたての女性”として蘇生されたベラ。
エマ・ストーンが「彼女は社会の意味を理解しつつあります」と語るところから始まる映像は、初めて見る外の世界に圧倒されながらも自身の強い好奇心でそれらを吸収していくベラの姿や、ベラを誘惑するも徐々に彼女の魅力にのめり込み翻弄されていく色男の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)の姿も映し出される。
エマ・ストーンが「自立すればするほど、男性たちがそれに抗うのです」と語ると、それを表すかのようにベラとダンカンの歪な関係性を物語るいくつかのシーンが差し込まれていく。本能のままに男性と肉体を重ね続けるベラだが、エマ・ストーンは「ベラのセクシュアリティが物語の鍵です。ベラを演じることで女性や自由であること、そして怖さや勇気を認められる気がしました」と、ベラが真の自由と平等を見つける本作を通して自身の中に訪れた心の変化を打ち明けている。
そんな唯一無二のキャラクターを演じたエマ・ストーンは、「とても楽しみでしたし、当然怖さもありました。ベラには羞恥心やトラウマだけでなく、生い立ちさえもありません。女性にそのような制約を強いる社会で育っていないのです。それは信じられないほど自由なことですし、それに対してできるリサーチもほとんどありません。ベラは出会う男性、出会う女性、彼女がいる環境や食べ物から何かを得ます。スポンジのような存在なのです」と自身の役どころを改めて解説。
さらに、本作だけでなくヨルゴス・ランティモス監督とともにアカデミー賞受賞作『女王陛下のお気に入り』(18)でもタッグを組んだ脚本家トニー・マクナマラも、「彼女は未発達の人間から成熟した女性まで演じる必要があり、激しいシーンも多くあります。しかし彼女は勇敢にもまっすぐに飛び込んでいきました。毎日撮影現場でベラを創り上げていく彼女の喜びを見て取れると思います。キャラクターに多くのものをもたらしてくれました」と撮影を振り返り、エマ・ストーンに賞賛を送っている。
エマ・ストーンが大胆かつ繊細に、純真無垢で自由奔放なベラを演じた『哀れなるものたち』。ゼロから世界を知っていくベラが迎える奇想天外な結末を劇場で体験してほしい。
『哀れなるものたち』は1月26日(金)より全国ロードショー