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綾野剛で実写映画化『カラオケ行こ!』原作者〈和山やま〉作品の魅力を紐解く!キーワードは「安心感」「画風」「可笑しさ」

綾野剛で実写映画化『カラオケ行こ!』原作者〈和山やま〉作品の魅力を紐解く!キーワードは「安心感」「画風」「可笑しさ」
「カラオケ行こ!」原作 ©和山やま/KADOKAWA
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名だたる漫画家からの影響

和山やまの画風から感じることのできる、見やすいだけではなくどこかホッとする柔らかさと朗らかさ、微笑ましさは、古屋兎丸・伊藤潤二・小林まこと・松本大洋といった名だたる漫画家たちから受けた影響が大きいという。ジャンルこそバラバラだが、確かな画力と創造性あふれる作品で知られる大御所漫画家たち。その面々の作風に共通するそこはかとない懐かしさが、和山の描く画風の「安心感」に現れているのだろう。

和山やま

そして彼女が描く作品は、どれも思わず笑みを浮かべたくなる“笑い”も特長のひとつだ。安心感のある笑いを生み出すのは、登場人物たちを俯瞰して観察することでうまれる“面白い日常会話”であることが多い。「うしろの二階堂」「夢中さ、きみに。」にも、その要素が色濃く現れている。

柔らかな画風とキャラクター設定の可笑しみ

そして、「カラオケ行こ!」では、“ヤクザが中学生をカラオケ屋に連れていく”という緊張感のある設定を、「カラオケ大会で負けると下手なイレズミを彫られる」「中学生の聡実の方が毒舌」「面倒見がよく、ちょっと不思議で妙にキュートなヤクザ・成田狂児」といったキャラクター設定を盛り込むことで、違和感が織りなす「可笑しさ」と「安心感」を同時に与えてくれる。

シャープかつ柔らかな画風と豊かな人物キャラクター設定、随所にちりばめられた可笑しさが生み出す安心感と親近感こそ、和山がここまで愛される所以なのかもしれない。とくに「カラオケ行こ!」はデジタルで描かれているため線が太く、全体的にまったりとした空気感とは裏腹な迫力も大きな魅力だ。

そして和山が生み出した「安心感」「親近感」「可笑しさ」を120%に映像に引き出したのが、監督の山下敦弘であり、脚本の野木亜紀子だ。この二人が和山原作の魅力を十分に引き出してみせた映画『カラオケ行こ!』は、マンガ好きも映画好きも満足させる仕上がりとなっている。

©2024『カラオケ行こ!』製作委員会

『カラオケ行こ!』は2024年1月12日(金)より全国公開

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