ある豪邸のパーティーで起こった惨劇…
映像では、このゲームに必須な呪物の“手”がミアたちの手に渡る前、あるコミュニティで起こった“惨劇”の様子が。夜、ひとりの若者が連絡の取れない弟を探してある豪邸にやってくる。そこでは若者たちだけで危険なパーティーが開かれていた。ようやく弟の居場所を突き止めた若者はドアをブチ破り中に入るが、その弟ダケットは「奴らがいる」「“お前は大勢殺す”と親父が」と意味不明なことをつぶやくばかりで、ふたりの会話はかみ合わない。沢山のスマホが向けられ、若者がキレてしまったところに、ダケットはナイフでいきなり自分の兄を刺してしまう。好奇心のざわめきが恐怖の悲鳴に変わる中、ナイフを手にバルコニーに出たダケットは——
この一連の惨劇をワンショットで描き切り、監督ふたりの高い才能と自信も感じさせるが、兄弟のやりとりは映画が描くものを示唆しているようでもあり、強烈なインパクトを残すオープニングシーンとなっている。
ダニーとマイケルは、「『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』は、10代の若者が自分の感情をどう対処したら良いのか分からず葛藤し、そのはけ口を見つけようとして混乱する姿を真摯に描いています。僕たちがこの作品をデビュー作にしたいと思ったのは、これが現在の僕たちの世界に最も近い物語であり、それを表現したいと思ったからです」と映画のテーマを説明する。
ふたりとは旧知の仲で、兼ねてからその才能に注目していたプロデューサーのクリスティーナ・セイトン(『ナイチンゲール』など)は、「私たちは、この映画のコンセプトに注目したんです。周囲を巻き込むエネルギーに満ちていましたから。ジャンルにぴったり合っていて、同時に今の若者たちの体験に関連したテーマを表現していると思いました。だから一緒に脚本を組み立てようということになり、そこからどんどん展開していったんです」とサポートをすることになった理由を明かす。
『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』は絶賛公開中