クエンティン・タランティーノの初監督作にして、全世界の度肝を抜いた鮮烈のバイオレンス作『レザボア・ドッグス』のデジタルリマスター版が、2024年1月5日(金)より公開される。このたび、映画史を変えたとも言える伝説の冒頭シーンが解禁となった。さらに、公開を祝し、オダギリジョー、津田健次郎、阪元裕吾、テラシマユウカら各界著名人から絶賛コメントが到着した。
30年ぶりに劇場公開決定
裏社会の大物ジョー(ローレンス・ティアニー)とその息子エディ(クリス・ペン)が、互いの素性を知らずコードネームとして“色”を使って互いを呼び合う6人の犯罪プロフェッショナルを集め、綿密に練られた宝飾店強盗計画。
映画史を変えた!?伝説の無駄話シーン
映像は、映画冒頭3分間のシーン。LAにあるダイナーの円卓に集った6人の犯罪プロフェッショナル。メンバーは、ベテランのMr.ホワイト(ハーヴェイ・カイテル)、出所したばかりのサイコ男・Mr.ブロンド(マイケル・マドセン)、肝の座った泥棒・Mr.オレンジ(ティム・ロス)、独特な信念を持ったMr.ピンク(スティーヴ・ブシェミ)、無口なMr.ブルー(エディ・バンカー)に饒舌なMr.ブラウン(クエンティン・タランティーノ)。6人は白シャツに黒のスーツ、ネクタイ、サングラスに身を包み、それぞれを本名ではなくブラウンやオレンジといった色の名前で呼び合う。
只ならぬ雰囲気の中、銀行強盗計画でも始まるのかと思いきや、なんと展開されるのはマドンナの名曲「Like a Virgin」に関する各々の解釈論。「歌全部が巨根の暗示だ」と言い張るMr.ブラウンに対して「いや、違う。傷つきやすい女の歌だ」と反論するMr.ブロンド。約7分間に渡り不毛な会話シーンが展開される。
実はこのシーン、このあと怒涛の勢いで展開される物語の本筋とは全く関係が無いというのが驚き。しかし公開当時、この演出が極めて大胆かつ斬新だとして観客を驚愕させた。長回しの会話劇に対して突如始まる凄まじいアクション&バイオレンスシーンの緩急。これが今やタランティーノのトレードマークとなっているが、デビュー作『レザボア・ドッグス』にしてタランティーノ映画と謳われる唯一無二のオリジナリティはこの時すでに完成されている。
因みに、マドンナは「あの歌は巨根の話ではなく、純粋な愛の歌よ」というメッセージを書いたアルバムをタランティーノに贈ったと言われるエピソードも(Independennt 2022 Oc 7thの記事より)。映画史を変えた伝説のオープニングシーンをスクリーンで堪能してほしい。
<コメント>
オダギリジョー(俳優)
いまさら何も言う事はない。
今はただ、これをスクリーンで観られる幸せを喜ぶだけ。
津田健次郎(声優・俳優)
ある日突然映画に新しい言語が現れた。その衝撃。『レザボア・ドッグス』がデジタルリマスターで劇場で蘇る。タランティーノが放った最初の矢が時を超えて劇場で観られる。なんという幸福。
阪元裕吾(映画監督)
『レザボア・ドッグス』を初めて見たのは中学3年生。
思春期真っ只中のボクはわかりやすくハマり、高校生の時に入った演劇部で「高校生版レザボア・ドッグスもどき」のような脚本を書いて顧問や当時の部長に酷評されたという苦い思い出がある作品です。
それ以来見る機会はなかったのですが久々に見返したらやっぱり大好きな作品!
映画に出てくる男と言えば、暴力と破滅!今の人が見てもは全くわけがわからん固有名詞ネタ会話劇も、逆にキャラクターの刹那性を高めてますね!ぜひ劇場で見てください!
テラシマユウカ(GANG PARADE)
無駄話に詰め込まれたロマンと、短時間に濃縮されたセンス。
聞き飽きることのない好きな言葉の掛け合いに永遠と浸っていたいと願いながらも、既に完成されているタランティーノの“色”に、嫉妬した記憶さえある。
初めて映画館で聴くオープニングの音の輪郭の気持ちよさに血が滾る気配がした。
『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』は2024年1月5日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開