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ガザの“日常”を知る
2023年10月7日、ハマスによるイスラエルへの攻撃をきっかけに大規模な侵攻が勃発。「テロリスト制圧」という名目で始まった攻撃はガザ地区に暮らす非武装の一般市民の命をも脅かし、行方不明者を含めるとすでに2万人以上が亡くなったとされている。
この対テロ戦争という名の侵略による惨状は、ガザ地区に暮らす人々が「一人でも多くの人に知ってほしい」という藁にもすがる思いでスマホ撮影した亡き家族の姿や、命の危険を顧みず現地に残るジャーナリストたちによって世界中に拡散されている。英米&独はイスラエル支持の姿勢を崩さないが、じわじわと「ガザを守れ」「パレスチナを開放せよ」という世論が盛り上がってきている。
とはいえイスラエル側の見解を報じるTVニュース等を見ていても、なかなかガザ侵攻の真実は見えてこない。実際にはスマホひとつあれば誰でもほぼリアルタイムの情報を得ることはできるが、プロパガンダに長けたイスラエル発の情報と並べて俯瞰しようとすると、いきなり靄がかかったように真実が見えなくなる……と頭を抱えている人も少なくないだろう。
そんな人に、いや、思想信条問わずあらゆる人に観ていただきたい映画が、東京23区よりも狭い場所に暮らす200万の人々の生活を映し出した『ガザ 素顔の日常』と、世界最大の“天井のない監獄”に閉じ込められた若者たちが躍動する『ガザ・サーフ・クラブ』という、2作のドキュメンタリー映画だ。
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