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物語の鍵を握る“牛”が印象的な日本版ビジュアル
牛との出会いが物語の行方を握る本作。トビー・ジョーンズ演じる仲買商が、お茶にミルクを入れるために呼び寄せた、この地にたった一頭の牛。料理人のクッキーとキング・ルーは夜な夜な仲買商の豪邸に忍び込み、盗んだ貴重なミルクで作ったドーナツで一攫千金を狙うことに。すると、その美味しさがたちまち話題となり、やがて仲買人本人の目にも止まるが…。
そんな物語の鍵を握る“牛”が印象的な日本版ビジュアル。デザインを手がけたのは、『君の名前で僕を読んで』『mid90s ミッドナインティーズ』『わたしは最悪。』など、これまで人気作のビジュアルを数々担当してきた、デザイナーの石井勇一氏。
一つ目は、本国ビジュアルの世界を踏襲したもの。牛が船で運ばれている様子が切り取られ、静かにこちらを覗く姿が目に留まる。さらに「おいしい話にご用心。」というコピーが浮かび、決して一筋縄ではいかない、ふたりの旅路の行方が気になる1枚となっている。
もう一つは、日本オリジナルで作成したもので、牛がまさに未開の地に降り立つ瞬間が映し出され、物語の始まりを連想させる。背景には紅葉色づく美しい木々が見られ、本作の魅力の一つでもある、豊な自然を感じることができる。
劇中の牛を演じたのは、イーヴィーという雌牛。ケリー・ライカート監督は、映画の重要なキャラクターとなるイーヴィーとのエピソードとして、たくさんの顔写真の中からいちばん大きな目をしていた彼女を抜擢したと語っている。
『ファースト・カウ』は12月22日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
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