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稲垣吾郎も絶賛する『正欲』岸善幸監督の魅力に迫る!東京国際映画祭で最優秀監督賞&観客賞ダブル受賞‼ 見どころ解説&監督コメントも

稲垣吾郎も絶賛する『正欲』岸善幸監督の魅力に迫る!東京国際映画祭で最優秀監督賞&観客賞ダブル受賞‼ 見どころ解説&監督コメントも
© 2021 朝井リョウ/新潮社 © 2023「正欲」製作委員会
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監督・岸善幸の撮影術

岸監督を代表する作品といえば2017年に公開された映画『あゝ、荒野』だ。この作品は寺山修司が遺した唯一の長編小説「あゝ、荒野」を、『帝一の國』の菅田将暉&『息もできない』のヤン・イクチュンのダブル主演、2部作で実写映画化。岸監督らしいワンカット長回しを多用し、役者の演技にあまり演出をせず、役者本人がしっかりと役のことを考えて表現してもらえるような撮影方法は、この作品でも取り入れられている。

あゝ、荒野 前篇

©2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ

そして2022年に公開された映画『前科者』は、罪を犯した前科者たちの更生、社会復帰を目指して奮闘する保護司の姿を描いた同名漫画を、有村架純と森田剛の共演で映画化。この作品で岸監督と磯村勇斗がはじめて作品を共にしており、森田の6年ぶりの映画出演も話題になった。岸監督は役者の表情を大切にしたいという考えから本作でも編集を自ら行っており、今までドキュメンタリーを撮ってきた岸監督ならではの絵作りを見ることができる。

前科者

©2021 香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会 ©香川まさひと・月島冬二/小学館 ©2021「WOWOWオリジナルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-」製作委員会

「“マイノリティ中のマイノリティ”の人々が、どう世界を見ているのか」

そして岸監督の最新作『正欲』は、読者の価値観を激しく揺さぶる内容が多くの読者の支持を得てベストセラーとなり、発行部数はすでに50万部を突破している、朝井リョウの同名小説を映画化した作品。

そんな原作について岸監督は、「個人的に原作が衝撃的な内容だったので、“マイノリティ中のマイノリティ”の人々がどう世界を見ているのか、自分自身も知りたいと思い、色々調べました。物語の骨格は原作で、そこに刻まれている素敵な言葉と、現実を見つめる視点を大切にしながら、キャストやスタッフとも議論を重ねて作り上げていきました」と、映画化への思いを語る。

©︎ 2021 朝井リョウ/新潮社 ©︎ 2023「正欲」製作委員会

また、岸監督は本当に必要なものは何かをシンプルに考え、原作者の朝井リョウや脚本の港岳彦、プロデューサーたちとは何度も打ち合わせを重ねていったという。「特に朝井さんは、映画化で大切にしてほしいことについて、都度意見をいただいて、それを守りながら脚本も進めていきました」と、原作者含め製作陣の入念な話し合いのもと、映画作りが進められたことを明かしている。

©︎ 2021 朝井リョウ/新潮社 ©︎ 2023「正欲」製作委員会

稲垣吾郎も岸監督の手腕を絶賛!

映画を撮る前に元々ドキュメンタリー番組を手掛けていた岸監督は、自身の映画製作について「たしかに今なにかが起きているという瞬間をカメラに収めたくてドキュメンタリーを撮っていたんですけど、それはフィクションでも同じなんです。そういった瞬間を、人によっては化学反応と呼ぶのかもしれません。それが起きたときはやっぱり楽しいですね」と、リアルもフィクションも撮影に変わりはないと彼ならではの見解を述べた。

©︎ 2021 朝井リョウ/新潮社 ©︎ 2023「正欲」製作委員会

先日行われた『正欲』の舞台挨拶でも、主演の稲垣吾郎が監督について「皆さんが大きな覚悟を必要とする役を演じられたので、それを岸監督が素晴らしい作品に仕上げて下さって感謝しております!」と、監督の手腕を絶賛。実際、東京国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したことで岸監督の実力がさらに多くの人々に知れ渡ったことだろう。

© 2021 朝井リョウ/新潮社 © 2023「正欲」製作委員会

そんな岸監督の最新作『正欲』は、ついに来週11月10日(金)より全国ロードショー。傑作か、問題作か――。日本映画界を代表する実力派俳優が集結し、いま、この時代にこそ必要とされる、心を激しく揺り動かす、痛烈な衝撃作をぜひ劇場で見届けよう。

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『正欲』

横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。

原作:『正欲』(新潮文庫刊)
原作小説は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身の一作。2021年3月に発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作。自身が「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」と語る通り、共感を呼ぶ傑作か、目を背けたくなる問題作か・・・「この衝撃は読んでみないとわからない」「もう読む前の自分には戻れない」と、続々と読者が増え続けている。

制作年: 2023