春画愛、爆発
江戸文化の裏の華である“笑い絵”とも言われた春画の奥深い魅力を、 真面目に説く変わり者の春画研究者と、しっかり者の弟子という師弟 コンビが繰り広げる春画愛をコミカルに描く映画『春画先生』が、2023年10月13日(金)より全国公開中だ。
――“春画先生”と呼ばれる変わり者で有名な研究者・芳賀一郎は、妻に 先立たれ世捨て人のように、一人研究に没頭していた。退屈な日々を過ごしていた春野弓子は、芳賀から春画鑑賞を学び、その奥深い魅力 に心を奪われ芳賀に恋心を抱いていく。やがて芳賀が執筆する「春画大全」を早く完成させようと躍起になる編集者・辻村や、芳賀の亡き 妻の姉・一葉の登場で大きな波乱が巻き起こる。それは弓子の“覚醒”のはじまりだった……。
本作は、主演に内野聖陽、 ヒロインに北香那、共演に柄本佑、白川和子、安達祐実を迎え、『月光の囁き』(1999年)、『害虫』(2002年)などの先鋭的な作品で映画ファンを唸らせてきた名匠・塩田明彦が監督・脚本を手掛ける。
庶民から大名までを虜にした江戸時代のエンターテインメント
春画は江戸幕府の禁制品で表に出ないものだったからこそ、自由な創作が可能となり、とどまることを知らぬ芸術の域に達して、庶民から大名までを虜にした真の江戸時代のエンターテインメントだった。これまでその取扱いは日本映画でもタブーとされ、性器部分の描写は映倫審査でボカし加工が必要だった。
しかし本作は、映倫審査で区分【R15+】として指定を受け、商業映画として全国公開される作品としては日本映画史上初、無修正での浮世絵春画描写が実現した。その自由な精神を現代に映画として表現することを目指して制作された『春画先生』は、「好きなものにのめり込んでいく者たちの幸せ」としての究極の「推し活」を描く異色の偏愛コメディだ。
『春画先生』は2023年10月13日(金)より全国ロードショー