愛は人間とAIの障壁を超えられるのか?
「映像に惹き込まれる映画が好きなんだ。理屈ではなく、心揺さぶられる夢みたいな」と作品へのこだわりを語るギャレス・エドワーズ監督。
本作のような大作では、まず初めにデザイナーやアーティスト達と話し合い、世界観をデザインした後に撮影を開始することが多いが、本作はその逆で、先に実際の国々のリアルなロケーションとリアルな人々でシーンを撮影し、その映像の上からCGなどで世界観をデザインしていくという斬新な方法を取り入れている。
そのリアルなロケーションでの撮影のため、日本、タイ、ベトナム、カンボジア、ネパール、インドネシア、イギリス、アメリカ(ロサンゼルス)の8か国に訪れており、映像では、各地に赴き、実際に現地で撮影している様子と、その完成シーンのハイライトが見られる。また、日本の渋谷のような街や、渡辺謙演じる模造人間(シミュラント)の新カットも収められており、主演のジョン・デヴィット・ワシントン(ジョシュア役)が「驚くのは神秘的なリアリズムだ。どのシーンも心の奥に訴えかけてくる」と語るように、ギャレス・エドワーズ監督だからこそ作り上げることができた世界観と臨場感を体感できる。
「観客の心を揺さぶりたい」
本作の凄さはその撮影方法だけはない。「監督はSFに感情を注ぎ込んだ。(SFは)派手なアクションやスリルに偏りがちな分野だけど」とジョン・デヴィット・ワシントンや、「本作のテーマはとても壮大よ。人間とは何か?命とは何か?愛は人間とAIの障壁を超えられるのか?」とジェンマ・チャン(マヤ役)が語るように、監督が作り上げるAIは、表情や感情が豊かで、まるで人間のように描かれている。
監督自身も「共存すべきか、破壊すべきか」と語っており、本作は「AIの脅威」や「AI vs人類」だけではなく、“意識を持ったAIは人間と何が違うのか?人類とAIは手を取り合えるのか?”のような壮大なテーマも問いかけてくる。自らカメラを回し、「私が幼少期に見た映画で感動したように、観客の心を揺さぶりたい」というギャレス監督による、SF映画史上最もエモーショナルな映画を劇場にて体験せよ。
『ザ・クリエイター/創造者』は10月20日(金)より全国公開