愛する人を想い続ける心に、涙する
二宮和也演じる主人公の悟と、波瑠演じる携帯を持たない謎めいた女性・みゆき。喫茶店で出会ったふたりが交わした、たったひとつの大切な約束「毎週木曜日に、この場所で会いましょう」。携帯電話で気軽に連絡が取れる現代に、あえて連絡先を交換せずに、週に一度だけ“会うこと”を大切にしてゆっくりと関係を紡いでいく…。2人の恋愛を通じて描かれ、コロナ禍を経た今だからこそ実感する“会うこと”の大切さ。本作は、いつの時代も変わらない愛の原点=〈大切な人にただ会える喜び〉を描いた、この秋一番の感動作。
悟(二宮和也)とみゆき(波瑠)の出会いは、行きつけの喫茶店「ピアノ」。互いの連絡先を交換せずに週に一度、木曜日にピアノで会いましょうという約束を交わす。2人で積み重ねるかけがえのない時間。悟はみゆきの素性を何も知らぬまま、プロポーズする事を決意するも約束の当日、彼女は現れなかった。その翌週も、翌月も…。なぜみゆきは突然姿を消したのか。彼女が隠していた過去、そして秘められた想いとは。
台本ナシ10分間アドリブ演技を披露
偶然出会い、運命の恋に落ちた悟(二宮和也)。幼馴染で親友の高木(桐谷健太)と山下(浜野謙太)は前向きに悟の恋を応援する。映像は、焼き鳥屋でみゆきに想いを馳せる悟に、高木、山下が茶化しつつも、激励を送るシーンだ。
このシーンの撮影は初日に行われ、3人は初めて顔を揃えたのだが、初日の撮影とは思えない程、息はぴったり。一気に賑やかになった現場だったが、それでも「昔からの幼馴染としてはまだ微妙にかみ合っていない」と感じたタカハタ監督は、なんと台本にない余白の芝居に10分以上カメラを回し続けた。超自由演技でアドリブばかりとなったが、3人は終始楽しそうな様子で、ゲラゲラ笑い合いながら酒の席ならではの男同士の話題で大盛り上がり。これにより空気はさらに柔らかくほどけ、撮影の合間もナチュラルに談笑する姿が見られるようになった。
監督は悟と親友2人のシーンについて、「3人のバランスもとても良かったです。桐谷さんがなんとなく場を回していた感じもありつつ、それをのらりくらりかわす二宮さんと、ハイテンションで受けてくれる浜野さん。あの初日の撮影で、3人がそれぞれの役をしっかりつかんでくれたように思いますね。3人ともスキルが高い人たちなので、撮影を楽しんでくれていたと思います」と絶妙なバランスがあったからこそ、自然体な姿が撮影できたと語った。
また悟を演じた二宮も、「どこまで本編で使われているのかどうか含めて楽しみですね(笑)見る方たちがどういった印象を受けるのかというのは楽しみなところではあります」と桐谷、浜野との超アドリブシーンについて振り返っている。同年代なら誰もが共感してしまうような、微笑ましい等身大の3人の友情をぜひ劇場で楽しんでほしい。
『アナログ』は10月6日(金)より全国公開