ウェス・アンダーソン監督最新作
『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)でアカデミー賞4部門を受賞し、『犬ヶ島』(18)でベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。その独特な世界観で観客を魅了しつづける天才監督・ウェス・アンダーソン最新作。原案は、ウェス監督と盟友ロマン・コッポラの共作。脚本はウェス監督が単独で務め、彼特有の世界観に満ちたファン必見の一作となっている。
キャストには、ウェス監督作品ではおなじみの、ジェイソン・シュワルツマン、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントン、エイドリアン・ブロディらに加え、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、マーゴット・ロビー、スティーヴ・カレル、ウィレム・デフォー、ブライアン・クランストン、ルパート・フレンド、マヤ・ホークなど豪華キャストたちが共演する。
ジュニア宇宙科学者たちがアメリカ政府と闘う!?
映像には、「アステロイド・シティ」の天体観測所で、アメリカ陸軍元帥であるギブソン元帥と、ジュニア宇宙科学者のひとり、リッキーが対峙するシーンがとらえられている。リッキーは、軍が隠蔽しようとした宇宙人の存在をジュニア宇宙科学者4人と団結し、“とある方法”で外部に伝える。その結果、世界中の新聞で「アステロイド・シティ」の宇宙人が取り上げられてしまう。それに対して激怒する大統領とギブソン元帥。反逆罪の可能性もあると伝えるが、リッキーは最高裁まで闘うと強気の姿勢。ジュニア宇宙科学者vsアメリカ政府の結末は…?
そして、完全に外部との接触を禁止され、軍に監視されるなかでどのように情報を伝えたのか。天才的な子どもたちによる大作戦の一部始終は、ぜひ劇場でご覧いただきたい。
本作には様々な名作の要素が組み込まれている 。たとえば、街の外観は『日本人の勲章』(55)がインスピレーションとなっている。そして、デビルスタワーに似た岩の構造、人生が変わるような宇宙人との遭遇、「アステロイド・シティ」の住民を隔離し続けるため軍隊がでっち上げた隠蔽記事といった要素は、スティーヴン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』(77)から意図的に取り入れられている。今回解禁となった本編映像に含まれる、宇宙人との遭遇を世界に知らせるために、子どもたち(ジュニア宇宙科学者)がアメリカ軍を出し抜く、というシーンからも、スティーヴン・スピルバーグ監督作品のテイストを強く感じさせる。
ほかにも、たとえばミッジ・キャンベルは50年代に活躍した女優、マリリン・モンローをモチーフに脚本が作られていたりと、キャラクターにも実在した人物の要素が組み込まれている。ストーリー、構図、衣装、セット、音楽など、さまざまな注目ポイントにあふれる本作だが、どんな作品・人物が隠されているのかにも注目しながら鑑賞していただきたい。
『アステロイド・シティ』は9月1日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷 ホワイト シネクイントほか全国公開