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理想的オタク道「ダメなほうのアンダーソン監督」と呼ばれても!『モンスターハンター』『バイオハザード』『モータル・コンバット』

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ライター:#多田遠志
理想的オタク道「ダメなほうのアンダーソン監督」と呼ばれても!『モンスターハンター』『バイオハザード』『モータル・コンバット』
『モンスターハンター』© Constantin Film Verleih GmbH
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「ゲームを作った人に話を聞く」真摯な姿勢で大ヒット『モータル・コンバット』

ゲーム映画監督として有名な彼だが、それだけでなく、ゲーム映画を成立させることができる、と最初に世間に証明して見せたのは、実はW・S・アンダーソンなのである。彼は初監督作品の時からずっと、ゲームの映画化に尽力してきた。

今でこそ最近の真田広之、浅野忠信の出演でも話題になったリメイク版が記憶に新しいが、1995年版『モータル・コンバット』でゲームの映画化にいち早く着手したのがアンダーソン監督だ。

モータル・コンバット (字幕版)

しかしこの頃、『スーパーマリオ/魔界帝国の女神』(1993年)、『ストリートファイター』(1994年)といった大作ゲームの映画化が軒並み大コケしたことによって、業界はゲームの映画化に懐疑的だった。

 

多くのゲーム映画作品が、他ジャンルで有名になった監督や職人監督たちの手により、ある意味「マンガ映画なんてよぅ……」というような、ある種なげやりな気持ちで作られていたのと異なり、アンダーソンは自主映画からキャリアを始め、モータルがメジャー長編デビュー作である。その辺は素直というか、変な癖がついていなかったということかもしれない。

また、周囲の役者たちの熱意にもアンダーソンは助けられたことだろう。元々ゲーム好きで、ギャラ分の撮影が終わっても追加撮影に自費でロケ地のタイまで来て、さらに打ち上げ代まで自腹で出すほど役に入れ込んでいたライデン役のクリストファー・ランバート、ラスボスのシャン・ツンを大熱演したケリー・ヒロユキ・タガワは、自前の衣装でオーディションに臨み、全編通して他の役者を食う演技を見せた。

 

「『スター・ウォーズ』と『燃えよドラゴン』を合わせたような映画だ!」

そういった周囲の人々の、ゲーム映画だからといって腐らずに奮起しているさまが、アンダーソンに影響を与えたのは間違いないだろう。また、『酔拳2』(1994年)などに出演していたリュウ・カン役のロビン・ショウにアクション映画の手ほどきを受けたという話もある。

ゲームのクリエイターたちを現場に招いて意見を聞いたり、ある意味今のゲーム映画の製作のように、「作った人に話を聞く」という当たり前の姿勢が生んだ作品、作り手たちの真摯な態度の産物とも言えるだろう。

https://twitter.com/Younn64728105/status/1643204533064015874

「モータルコンバット」というゲームは、勝者が敗者の息の根を完全に止める、という出血量多めの残酷対戦格闘だ。当初はもっとゲームに忠実な内容だったが、子供に見てもらうために暴力表現をマイルドにし、R指定からPG-13に変更した。ゲームのおどろおどろしいサウンドも当時のエレクトロミュージックにし、より一般でヒットする映画にしようという努力もあった。

蓋を開ければこれが見事に当たり、「『スター・ウォーズ』(1977年)と『燃えよドラゴン』(1973年)を合わせたような映画だ!」と大ヒット。つまり「モータルコンバット」は“ゲーム映画は商売になる”ということを最初に世界に知らしめた映画であったのだ。これはアンダーソンの大きな功績と言っていいだろう。

次ページ:ゾンビといえば『バイオ』を定着させた功績
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映画『モンスターハンター』

アルテミス率いる特殊部隊が砂漠を偵察中、突如、強烈な砂嵐に襲われた。隊員たちは一瞬にして嵐に飲み込まれ、アルテミスは激しい突風と稲光の中で気を失ってしまう。気付くとそこは、近代兵器が通用しない巨大モンスターが跋扈する異世界。そしてモンスターの狩猟を生業とするハンターが現れる。

監督・脚本:ポール・W・S・アンダーソン

出演者:ミラ・ジョヴォヴィッチ
    トニー・ジャー
    ティップ・“T.I”・ハリス

制作年: 2020