Netflix『ザ・マザー』はどんな映画?
『ザ・マザー:母という名の暗殺者』の主演はジェニファー・ロペス。大御所歌手として有名だが、元は俳優としてキャリアをスタートさせており、『ハスラーズ』(2019年)でゴールデングローブ賞の候補にもなったアメリカショービジネス界の重鎮だ。
本作は配信されて時間も経過しているので、俺の心を魅了してやまなかったシーンを中心にじっくり書こうと思う。
※彼女は「ジェン」「J.Lo」という愛称で親しまれているが、ここでは敬意を称して「姐御」と呼ばせて欲しい。
映画冒頭、FBIによる保護のもと情報提供している姐御。どうやら命を狙われているらしい。
映画開始3分(実際に計った)でFBIが襲撃されるが、姐御は焦らず撃たれた捜査官を応急処置。洗面台にある洗剤やらで爆発物をテキパキと作るあたり、かなりの猛者らしい。
何とか襲撃から逃げた姐御、実は身重だった。腹を刺されながらも無事に子供を出産したが、証人保護のため親権を放棄。子供はFBIの監視下で育てられ、自身はアラスカで隠遁生活をすることに。
狼を“目力”でビビらせることができるのはJ.Loだけ
――12年後、アラスカの厳しい自然で狩りをして自給自足の生活をする姐御は、同じ獲物を狙っていた狼と遭遇。狼がこちらを睨んでいる……まずい、これは逃げないと! という俺の心配をよそに、姐御も睨み返す!!
なんと、狼が帰っていった! 狼を“目力”だけでビビらせることができるのは、ジェニファー・ロペスだけだろう。
ある日、FBIから手紙が届き、かつて彼女の命を狙っていた組織が、娘ゾーイの命を狙っていることが発覚する。
幸せに育っているゾーイの成長を遠くから見守りながら、組織からの刺客を次々と狙撃し、盗んだ車で体当たりする姐御。「一人残らず殺してゾーイを(育ての)両親の元に返す」と常人離れした母性を大爆発させる。
そして姉御は、キューバでの戦闘にナイフで刺されたFBI捜査官のウィリアム(12年前に撃たれて手当した人と同じ)を手当しながら過去を語る。
……アフガニスタンで出会ったSASの元上官エイドリアンと、米軍基地で出会ったエクトルという二人の男。「退役後の将来を考えて」武器商人になろうと考えていたが、人身売買もしていたことが発見し通報した……。
ゾーイの父親はエイドリアンとエクトル、どちらかは分からない。ちなみにこの時、ウィリアムが姐御を誘っているのだが、特に何も起こらない。まったりとした雰囲気の中、男からの誘いは壮絶な過去を語ってさりげなくかわすのが姐御のスタイルだ。
そんなこんなで画面から飛び込んでくる情報量が多すぎて観ているこちらは頭が整理できないが、とにかく「娘のために、武器商人たちは娘の実の父親かもしれないけど皆殺しにする」とのことだ。
『ザ・マザー:母という名の暗殺者』
軍隊仕込みで凄腕の殺し屋は、生まれたばかりの娘を愛するがゆえに手放し、自身も姿を消した。だが、報復の魔の手が娘に伸びたとき、彼女は冷酷非情な犯罪者たちに立ち向かう。
監督:ニキ・カーロ
脚本:アンドレア・バーロフ ピーター・クレイグ ミシャ・グリーン
出演:ジェニファー・ロペス
ジョセフ・ファインズ ガエル・ガルシア・ベルナル
ルーシー・パエス オマリ・ハードウィック
ポール・レイシー ジェシー・ガルシア
イヴォンヌ・セナト・ジョーンズ イーディ・ファルコ
制作年: | 2023 |
---|