“ツッコミどころ”という魅力
子供の頃から「金はかけまくっているが、中身はシンプル極まりない娯楽作」が好きなので、いわゆるハリウッドの大作映画ばかり見ている。
昔から今日に至るまで何かが爆発し、飛行機も車もどんどん破壊されるハリウッドの大作映画だが、最近のものはなんだかんだでよくできていると思う。
SFやアクションシーンだけでなく、練りに練られたストーリー、しっかり回収する伏線。2時間半の長尺でも飽きさせないように工夫して作られている。
実際、記事を書いていて「ツッコミどころがないなぁ」と困ることもしばしばある。その点、俺が子供時代を過ごした80年代~90年代の映画は良くも悪くも雑だった。
・車も人命も吹っ飛んでいるが肝心の戦う目的があまり語られない
・冷静な判断が一切できない主人公
・思わせぶりに語られるが特に回収されることはない伏線
・装弾数という概念のない銃
そして一番重要なのは「作っている側はふざけているつもりは一切ない」ところだ(『ワイルドスピード』や『ジョン・ウィック』シリーズ、マイケル・ベイ監督のように人智を超越した作品はあるが、あれらは熟考した上であえてそのように作られていると思う)。
作っている側は大真面目だが、どう考えてもおかしい。それがツッコミどころになり味になる。映画として“良い・悪い”ではない。「俺は一体何を見せられているんだ!?」と、笑いや感動と共に大きな疑問が残る映画……。
最近はテレビで映画が流れないし、そんな作品に出会いにくくなった……と思っていた矢先に出会った。Netflixオリジナル映画『ザ・マザー:母という名の暗殺者』だ。
『ザ・マザー:母という名の暗殺者』
軍隊仕込みで凄腕の殺し屋は、生まれたばかりの娘を愛するがゆえに手放し、自身も姿を消した。だが、報復の魔の手が娘に伸びたとき、彼女は冷酷非情な犯罪者たちに立ち向かう。
監督:ニキ・カーロ
脚本:アンドレア・バーロフ ピーター・クレイグ ミシャ・グリーン
出演:ジェニファー・ロペス
ジョセフ・ファインズ ガエル・ガルシア・ベルナル
ルーシー・パエス オマリ・ハードウィック
ポール・レイシー ジェシー・ガルシア
イヴォンヌ・セナト・ジョーンズ イーディ・ファルコ
制作年: | 2023 |
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