「“イマジョ”という言葉自体、禁忌とされる考えが未だに強い」
―つい“イマジョ”の話ばかりしてしまいましたが、一連の出来事の鍵を握る老人シゲル(笹野高史)と少女リン(當真あみ)の演技が目を引きました。スピンオフが作れるくらいのレベルではないでしょうか?
スピンオフ……うん、シゲルさんは相当に闇が深い人間なのでアリですね。でも、最初の脚本では二人とも居なかったんですよ。
―え、そうなんですか?
「シンセカイ」の若い面子だけでは、物語に深みがないなあと。せっかく島のお話なのに、地元のキャラクターが居ないのも寂しいですし。そこで登場させたのがシゲルとリンなんです。
―でも、ちょっとキャラクターが濃すぎやしませんか?
いえいえ、それがいいんです。村八分で生きてきた老人、そして彼を気にかける無垢な少女。そこから鍵となる“島唄”や◯◯◯◯(※観てのお楽しみ)が登場することになったんです。
―島唄は印象深かったですね。
シゲル役の笹野さんとリン役のあみちゃんに、弾き語りを練習してもらいました。笹野さんはもともと三味線をやられいてたとのことで、すぐ覚えていただけましたね。あみちゃんもバイオリンか何かの経験があったので、すぐにマスターしてくれました。問題だったのは歌詞ですね
―それは方言で歌いにくいとか?
それもあるのですが、最初は奄美の三線指導の方に作曲を依頼したんです。快諾して頂けたのですが、映画の骨子を伝えたところ、家族に猛反対されたとのことで……。“イマジョ”という言葉自体、禁忌とされる考えが未だに強いんでしょうね。
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— 映画『忌怪島/きかいじま』公式 (@Kikaijima2023) May 19, 2023
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―うーん、現実に禁忌とされる作品というわけですね。さて、そんな『忌怪島』の見所を……。
やはり西畑大吾くんが主演ということで、ポップな怖さがあるホラーと思っている方が多いと思います。でも後半になるにつれ、どろっとしたヒューマンドラマへと変貌していく様を楽しんでほしいなあ。それから、結末も考察しがいのあるものになっています。観た後は、みんなで盛り上がってほしいですね!
取材・文:氏家譲寿(ナマニク)
『忌怪島/きかいじま 』は2023年6月16日(金)より公開
『忌怪島/きかいじま 』
とある南の島でVR(バーチャル・リアリティ)を研究するチーム「シンセカイ」。しかし、彼らが開発中のシステムに“赤い女”のバグが突然現れるとともに、不可解な連続死が発生する。現実世界と仮想世界が交ざり始めてしまった…? 彼らは謎を解き明かし、閉ざされた島から抜け出すことができるのだろうか!?
監督:清水崇
脚本:いながききよたか 清水崇
出演:西畑大吾(なにわ男子)
生駒里奈 平岡祐太 水石亜飛夢 川添野愛
大場泰正 祷キララ 吉田妙子 大谷凜香 ・ 笹野高史
當真あみ なだぎ武 伊藤歩 / 山本美月
制作年: | 2023 |
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2023年6月16日(金)より公開