ホラー“ならでは”の見せ方で差別化
物語を破綻させることなく、人々を怖がらせる物語を創造する――言うのは簡単だが、これは非常に難しい。恐怖を求めるあまり突飛な設定や構成をしてしまっては、一般層に振り向いてもらえずマニア向けの作品になってしまう。かといって破綻を怖がっていては、恐怖を得ることはできない。その点、『M3GAN/ミーガン』は絶妙なバランスで作られている。
基本プロットは、自動学習型知育ロボット“M3GAN”の暴走。正直かなり凡庸だ。しかし本作は、ホラー映画ならではの「見せ方」で差別化を行っている。
※注意:物語の内容に一部触れています
『M3GAN/ミーガン』
交通事故で両親を亡くし、悲しみからふさぎこんでしまった9歳の少女ケイディ。おもちゃメーカーの才気あふれる研究者ジェマは、この姪を引き取ることになるが、仕事ひと筋の独身者にとって育児はハードルが高い。
そこで彼女は研究段階のAI搭載の人形M3GAN(ミーガン)を、実験を兼ねてケイディにあたえる。ケイディは“彼女”との交流によって笑顔を取り戻していった。
ケイディが親しめば親しむほど、彼女によかれと思えることを次々と実行していくミーガン。しかし彼女の中に芽生えたケイディへの愛情は、やがて狂気へと変わり、とてつもない惨劇を引き起こす……。
監督:ジェラルド・ジョンストン
脚本:アケラ・クーパー
原作:ジェームズ・ワン
出演:アリソン・ウィリアムズ
ヴァイオレット・マッグロウ
ロニー・チェン
制作年: | 2023 |
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2023年6月9日(金)より全国ロードショー