カンヌ映画祭の台所事情
数えてみると17本の記者会見に出席していた。コンペ作品はすべて見たけれど、上映を見ていると会見に出られないとか、会見に出ると上映に間に合わないなどで途中退席した会見もいくつかある。
写真を取りながらメモを取る。録音はしているが、英語以外の言語も多いので後で聞き返しても訳が分からない。同時通訳のイヤホンが頼みの綱なのだ。しかしこのイヤホンが、古色蒼然、使いにくいったら……。壇上のゲストたちにはヘッドホン式の新しいタイプが置いてあるが、記者にまでは回せないようだ。
と、いうのも、とつなげてしまうが、カンヌ映画祭、だいぶ台所事情が厳しいらしい。国家的な事業として予算の補助を受けている映画祭だが、その予算がカットされてきたのだ。プレスへのサービスも減らされ、逆に実質的な参加費を徴収するようになった。カーボン・オフのためとデジタル化を推進しているが、これは参加者の若返りを図っているに違いないと常連プレス参加者からはブーイングが出ている。