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親の声より聴いた「吹替版シュワルツェネッガー」名台詞の数々を玄田哲章『プレデター』&堀勝之祐『ツインズ』で

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ライター:#てらさわホーク
親の声より聴いた「吹替版シュワルツェネッガー」名台詞の数々を玄田哲章『プレデター』&堀勝之祐『ツインズ』で
『プレデター©1987 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
『ツインズ』DVD: 1,572 円 (税込) 発売元: NBCユニバーサル・エンターテイメント © 1988 Universal Studios. All Rights Reserved.※2023年5月の情報です。
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『ツインズ』の怜悧な堀勝之祐×シュワルツェネッガー

シュワルツェネッガーの吹替に話を戻そう。たとえば1984年の『ターミネーター』第一作に関して言えば、最初に殺人マシーン役を務めた大友龍三郎は玄田ターミネーターとはまた異なる、非常に硬質かつ無機質な恐ろしさを醸し出していた。『ゴリラ』(1986年)などでたびたび登板している屋良版シュワルツェネッガーにも、玄田版とはまた異なるラフで大人っぽい魅力がある。

『ツインズ』(1988年)では堀勝之祐がシュワルツェネッガー役を演じていた。堀といえば野沢那智と並び、アラン・ドロンの吹替で知られた実力派だ。その声には色気がありつつ、また同時に近寄りがたい冷たさもあった。

『ツインズ』© 1988 Universal Studios. All Rights Reserved.

そんな堀の演じた役柄で個人的に最も強く記憶に残っているのは、テレビアニメ『あしたのジョー2』(1980年~)に出てきたジャーナリストの須賀清。このアニメオリジナルのキャラクターは常にトレンチコートを着て煙草を吹かし、世の中を斜めから見ていた。しかし同時に主人公たる矢吹丈に必要以上に感情移入して、しばしば冷静さを失うという、複雑なキャラクターに堀勝之祐の声が説得力を与えてもいた。

自身初のコメディ作品であった『ツインズ』でシュワルツェネッガーが演じた、無垢なインテリという役柄。常人とは思えない身体とのギャップが笑いを生むが、堀の怜悧な声がまたキャラクターに新たな魅力を与えている。

『ツインズ』© 1988 Universal Studios. All Rights Reserved.

シュワルツェネッガー/玄田哲章というコンビネーションは、くどいようだがもはや世界の常識だ。が、それ以外にもかつてさまざまな可能性があった……ということに、ぜひ思いを馳せていただきたい。そんなことを考えながら、またシュワルツェネッガー吹替の深すぎる世界の探求に戻らせていただく。

文:てらさわホーク

『プレデター』『ツインズ』日本語吹替版はCS映画専門チャンネル ムービープラス「今月の日本語吹替映画」で2023年6月放送

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