体長15m超の巨大サメ、実在する古代アステカ神の化身だった!?『ブラック・デーモン 絶体絶命』見どころ解説

メキシコに実在する巨大ザメ伝説を引用
本作に登場する巨大ザメ、“エル・デモニオ・ネグロ”こと“黒い悪魔(ブラック・デーモン)”は、なんと現地で実際に語り継がれている伝説のサメ。その全身は黒く、体長は15メートル以上とも。
もっとも、その実在を証明する写真の類いは一切見つかってはいない。ある者は太古の巨大ザメ、メガロドンの生き残りだとし、ある者はメラニン色素過剰を起こしたホホジロザメだとしている。ただし、「単なる漁師の大ぼらである」、「水面下を泳ぐジンベエザメの影を見間違えたものだろう」と、ブラック・デーモンの存在を懐疑的に捉える声も少なくはない。
とにもかくにも神秘的で、魅力的な伝説のサメ、それがブラック・デーモンなのであり、作中ではしっかりこの世に実在する巨大ザメとして、我々人類に牙を剥く。

『ブラック・デーモン 絶体絶命』© 2023. Black Demon Movie, LLC. All rights reserved.
神秘的かつダイナミックな巨大ザメの恐ろしさ
本作のブラック・デーモンは、前述の通り古代アステカの神トラロックの化身として登場。海上施設の従業員を幻覚で精神的に苛む、超自然的な怪物としても描かれている。そしてこの設定に付随し、作中にはたびたびトラロックの絵や像が顔を覗かせる。
正統派の巨大モンスター・パニック映画の系譜に位置しながらも、全体的にどことなくオカルトじみた雰囲気を漂わせている点は、(『ゴースト・シャーク』や『ジョーズ キング・オブ・モンスターズ』のような前例自体はあるにせよ)この手の巨大ザメ映画としては珍しいだろう。一方で、まるでメガロドンもののサメ映画かのように巨体を生かしてボートを突き上げたり、海底油田をめちゃくちゃに荒らし回ったりする様は、やはりダイナミックでもある。

『ブラック・デーモン 絶体絶命』© 2023. Black Demon Movie, LLC. All rights reserved.
さて、言わずもがな本作は“サメ映画”である。その辺り、いつものこととはいえ脚本・構成には粗削りな面も少なからず見受けられる。良くも悪くもジャンル映画には違いないが、サメの襲撃シーンのクオリティはなかなかだ。
果たして伝説の巨大ザメ“ブラック・デーモン”は、ホホジロザメやメガロドンに代わる、新世代サメ映画の主役となるだろうか。それはわからないが、この映画のサメが手強い怪物であることは確かだ。

『ブラック・デーモン 絶体絶命』© 2023. Black Demon Movie, LLC. All rights reserved.
文:知的風ハット
『ブラック・デーモン 絶体絶命』は2023年6月2日(金)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー、池袋シネマ・ロサほか全国公開
『ブラック・デーモン 絶体絶命』
崩壊寸前の海底油田に
取り残された男とその家族
旋回するのは伝説の超巨大ザメ
通信手段はゼロ
海底には仕掛けられた爆弾
爆発まであと59分
待受けるのは死か、それともー!?
監督:エイドリアン・グランバーグ
出演:ジョシュ・ルーカス
フェルナンダ・ウレホラ
フリオ・セサール・セディージョ
制作年: | 2023 |
---|
2023年6月2日(金)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー、池袋シネマ・ロサほか全国公開