「もし現実に自分が超能力を持っていたら……」
本作の大きな見どころの一つに、人間の能力を超えた激しいアクションシーンがある。前作を大きく上回る数々のアクション~バイオレンス・シーンの撮影は、さぞや大変だったのではないだろうか?
アクションの準備の過程は大変でもあり、楽しくもありました。私はアクション自体が初めてでしたし、しかも一人ではなく大勢の人が集まって段取りを決めて、合わせていきながらのアクションには難しいところもたくさんありました。
でも、私が使うのは肉体的なエネルギーではなく超能力なので、それを受けて倒れたり飛んでいったりする皆さんのほうが苦労したと思います(笑)。なので、撮影中には皆さんに感謝したことを覚えています。
劇中、ギョンヒの弟デギル(ソン・ユビン)が少女の能力を目撃した際のリアクションは印象的で、つかの間の癒しを与えてくれる。そこで、「もし、あなたが実際に“魔女”を目の当たりにしたら? その能力を得られるとしたら?」という質問を投げかけてみた。
私は怖がりなので、そんな超能力者がいたら遠くで眺めていると思います(笑)。もし自分が力を持つ側だったら……乱用するのは良くないと思うので、その力が必要な人がいたら、こっそり使って助けてあげたいですね。
「次回作は……準備中です!(笑)」
さすがに「血を見るのが好き」という武闘派タイプではないようだが、少女役の参考にした映画について聞くと、やや意外な答えが帰ってきた。
スリラー映画は好きで、よく観ます。それに限らず、超能力者やヴァンパイアなど、人間以上の能力を持っているキャラクターが出てくる作品が好きなんです。今回は、少女を演じるにあたって監督から参考にと挙げてくださった作品がいくつかあり、その中でも『ハンナ』(※2011年:シアーシャ・ローナン主演)はとくに参考にしました。
「では(本作で能力者を演じるという)念願が叶ったのでは?」という問いに、「はい、そうですね!(笑)。幸せです」と、勉強中だという日本語で答えてくれたシン・シア。「今回、日本に来られたことも私にとっては不思議で貴重な経験」「初めての映画出演作品として『THE WITCH/魔女 —増殖—』と出会えて感謝していますし、嬉しく思っています」と謙遜するが、しっかりと“次”も見据えているようだ。
(感謝するのと)同時に、責任感も大きくなっています。観客の皆さんに、次にどんな姿を見せれば良いのか? そのために色々と準備をしなければいけないと思っていますし、悩んでもいます。改めて本作を観て、ここはまだまだ未熟だな、足りないなと思うところをどんどん補完していきたいです。次回作は……準備中です!(笑)。
最後には、日本語で「心を込めてプレゼントを準備しました、私の大好きなおやつです!」と手作り包装のプレゼントを配るという甲斐甲斐しさに取材陣も骨抜きになった、記念すべき“初”インタビューだった。
『THE WITCH/魔女 —増殖—』は2023年5月26日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
『The Witch/魔女』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「今月の韓国映画」で2023年5~6月放送
『THE WITCH/魔女 —増殖—』
秘密研究所アークが何者かに襲撃され、殺戮の中でひとりの少女が生き残る。その少女は、遺伝子操作によって超人的なアサシンを養成する〈魔女プロジェクト〉の実験体だった。初めて研究所の外に出た少女は、ある姉弟と出会うことで、徐々に人間らしい感情に目覚めていく。しかし少女の秘められた力を危険視した〈魔女プロジェクト〉のペク総括は、彼女を抹殺しようとする。さらにアークを襲撃した謎の超能力者集団や、姉弟を狙う犯罪組織も加わり、哀しき宿命を背負った少女との壮絶なバトルの火ぶたが切って落とされる!
監督・脚本:パク・フンジョン
出演:シン・シア パク・ウンビン
ソン・ユビン ソ・ウンス
イ・ジョンソク チン・グ
チョ・ミンス キム・ダミ
制作年: | 2022 |
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2023年5月26日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー