「カメラが回ると“私の演技だけが存在している”という状況になる」
初めての撮影現場だったので、驚くことや不思議だなと思うことが本当にたくさんありました。現場には多くのスタッフや俳優さんたちがいらっしゃいますが、実際にカメラが回り始めると、そこには“私の演技だけが存在している”という状況になります。なので、その状況に屈することなく自分自身を信じて、演技に集中しなければいけないのだ、ということを学びました。
初の撮影現場についてそう振り返るシン・シアだが、寡黙な超能力少女という難役に挑むにあたって、監督から具体的なリクエストはあったのだろうか?
監督から特に言われたのは、「無の表情」を作ることでした。少女は研究所の中にずっといたので、人間の感情を受け入れたりすることに慣れていません。なので、演じる際には無の表情を意識し続けていました。
普段の私は表情が豊かなほうなので、どの程度が無表情なのか、最初はなかなか掴めませんでした。自分としては無表情のつもりでも「まだ表情があるように見える」とよく言われたので、セルフカメラで色々な無表情を作って、自分なりの“無”を探しながら作っていきました。
シン・シアにとって初めて師事した映画監督となるパク・フンジョンからは、そういった役作りの指導以外にも様々なものを得られたようだ。
パク・フンジョン監督とご一緒できて、とても光栄でした。とくに驚かされたのは、監督の頭の中には映画に現れている以上の巨大な世界観があるのだということです。ディレクション中にも作品のイメージなどをお話しいただきましたが、本当に無数の物語が頭の中にあるのだなと気づかされましたし、改めてすごい監督さんなのだなと思いました。
「映画の中の関係性と撮影現場での状況が似ていた」
そして本作では、Netflix『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で知られるパク・ウンビンや、前作の主演キム・ダミら共演者から得たものも大きいという。
皆さんから学んだことは本当にたくさんあります。撮影前にどんな準備をすればいいのか、現場ではどのように集中すればいいのかを学べたと思います。
私が演じる少女は劇中、ウンビンさん演じるギョンヒに保護されます。ギョンヒは初めて外の世界を見た少女の面倒を見てくれるのですが、現実でも映画の現場が初めての私をウンビンさんが気遣ってくださったので、より役になりきることができたと思います。映画の中の関係性と現実の状況が似ていたので、より役に集中することができました。
『THE WITCH/魔女 —増殖—』
秘密研究所アークが何者かに襲撃され、殺戮の中でひとりの少女が生き残る。その少女は、遺伝子操作によって超人的なアサシンを養成する〈魔女プロジェクト〉の実験体だった。初めて研究所の外に出た少女は、ある姉弟と出会うことで、徐々に人間らしい感情に目覚めていく。しかし少女の秘められた力を危険視した〈魔女プロジェクト〉のペク総括は、彼女を抹殺しようとする。さらにアークを襲撃した謎の超能力者集団や、姉弟を狙う犯罪組織も加わり、哀しき宿命を背負った少女との壮絶なバトルの火ぶたが切って落とされる!
監督・脚本:パク・フンジョン
出演:シン・シア パク・ウンビン
ソン・ユビン ソ・ウンス
イ・ジョンソク チン・グ
チョ・ミンス キム・ダミ
制作年: | 2022 |
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2023年5月26日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー