惚れざるを得ない豪傑キャラ誕生『ピッチブラック』
まず、シリーズのデビューを飾った第1作『ピッチブラック』。民間の宇宙船が人っ子一人いない辺境の惑星に墜落、9人の生存者の中には護送されていた札付きのワル=リディックがいた! というのが主なあらすじだ。
事故っただけでも不運な話だが、生活していた形跡はあるものの、どうやらこの惑星には本当に誰もいない! 途方に暮れる間もなく、22年に1度の皆既日食が暗闇に潜む獰猛なエイリアンを大量放出! 孤立無援の惑星を舞台に、生きるか死ぬかのサバイバルが展開される。
見ていて心配になるほどのタフっぷり
本作のキャッチコピーは「暗闇に何が見える」「暗闇、そこは奴ら(エイリアン)の世界」。――そんなSFホラーな世界観に、誰とも群れないタフなワル(ヴィン)が一匹、という作りが実に痺れる。
いかにも紫外線がエグそうな惑星なのに、もちろんリディックが着ているのはノースリーブだ!
中盤、どうやらヤベえエイリアンがいるらしい……早く脱出しねえと! と皆がドン引きしている中、リディックは動揺するどころか頭皮へのダメージをガン無視で宇宙船のドス黒いオイルを活用して剃髪!
こうしたタフガイ(しかもワル)はホラージャンルで死にがちというお約束もあり、あまりのタフっぷりは見ていて心配になる。
だが安心してほしい。暗闇を透視できるリディック・アイ(いま名づけました)、エイリアンの死角を突きナイフでタイマン、「あいつらに挨拶しないとな」からのお礼参り宇宙船バックファイアーなど、惚れるなというのが無理なほどの活躍を最後まで見せてくれる。
1作で終わらせるには勿体ないほどのキャラ作りに成功したわけだが、そんなファンの声に応えたのだろう。続編として、タイトルもズバリ『リディック』が製作決定したのだった。