「『マイケル・コリンズ』は特に思い入れのある作品」
本作のアレックスや『96時間』の最強パパこと元CIAのブライアン・ミルズ、『スター・ウォーズ』シリーズのクワイ=ガン・ジンなど、2000年以降も多様なキャラクターを演じているリーアム。いわく「全キャラクターがフェイバリット」とのことだが、やはり祖国アイルランドの英雄マイケル・コリンズには特別な想いがあるようだ。
『マイケル・コリンズ』(1996年)のマイケル・コリンズ役は、自分の心の中で特別な存在として在り続けている。映画としてはもちろん、現代のアイルランド共和国を建国した一人でもあるからね。
あの映画は、もう28年前になるかな……アイルランドで撮影したよ。その頃ちょうど長男が生まれて、名前をマイケルにしたということもあって自分にとって特別な時間だったし、<ワーナー・ブラザース>が製作に着手するまでに12~13年くらいかかったんだ。当時、北アイルランドでは戦争(※北アイルランド紛争)が起こっていたし、そもそもコリンズ自身が今なお物議を醸す人物でもあるからね。とにかく、色んな意味で自分の心の中の特別な場所にある作品なんだ。
監督のニール・ジョーダンとは新作『探偵マーロウ』(2023年6月16日[金]日本公開)でも再タッグを組むことができて、それも素晴らしい時間だった。作家レイモンド・チャンドラーの生み出した私立探偵もので、舞台は1938~1939年のL.A.なんだけれど、撮影はバルセロナとダブリンで行ったよ。
『RRR』のスコット総督ことレイ・スティーヴンソンとも共演
本作は、リーアム1人が大暴れするアクション映画ではない。ストイックな刑事ドラマとしても見応えがあり、ガイ・ピアースやモニカ・ベルッチら豪華キャストが演じる個性的なキャラクターたちによるアンサンブルも大きな見どころだ。
モニカもガイも最高だったよ。ガイは『L.A.コンフィデンシャル』(1997年)の頃から好きだけど、撮影中に“不誠実であることが不可能”なタイプの役者なんだ。まさに“役者が惚れる役者”というタイプだね。
そしてモニカとは今回が初対面だったけれど、もちろん『パッション』(2004年)などで素晴らしい役者ということは知っていた。彼女も周囲の提案にオープンな性格で、本作でもあるシーンで僕の出したアイデアをすぐ受け入れてくれた。本当に共演できて楽しかったよ。
もちろん、レイ・スティーヴンソンもね。かつてピアース・ブロスナンと共演した『セラフィム・フォールズ』(2006年)の撮影中に、ちょうどレイが出演しているドラマシリーズ『ROME[ローマ]』を観ていたんだ。このドラマには友人のキアラン・ハインズも出ているんだけれど、その頃からレイは素晴らしい役者だと思っていたよ。
そしてメキシコ出身のハロルド・トーレス、彼も素晴らしかった。毎朝、撮影現場に行くのが楽しくなるような作品・キャストだったよ。
リーアム・ニーソンが“人生で成し遂げたいこと”とは
経験豊富な俳優として、キャリアの晩成に差し掛かったとも言えるリーアム。そんな彼が、一人の人間として“成し遂げたいこと”とは何なのだろうか?
まず、2人の息子に対して良き父親であり続けたい。これがいちばん大事なことだね。そしてユニセフの親善大使を長年務めているんだけれど、もっと色んなところに足を運んで、自分が参加することによって光をあてられる問題などがあれば、それを進めていきたい。
最近、同じく親善大使で友人のオーランド・ブルームがウクライナで子どもたちと交流している姿を見て、自分ももっとやりたい、やらなければという気持ちになったんだ。彼はいろんな紛争地や災害地など世界中を駆け回っているので、僕が少し罪悪感を感じるくらいでね。もちろん僕だけじゃなく、多くの親善大使にやれることがたくさんあると思うから、それを進めていきたい気持ちがあるよ。
『MEMORY メモリー』は2023年5月12日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
『MEMORY メモリー』
完璧な殺し屋として、裏社会でその名を馳せてきたアレックスが、引退を決意する。アルツハイマーを発症し、任務の詳細を覚えられなくなってしまったのだ。これが最後と決めた仕事を引き受けるが、ターゲットが少女だと知ったアレックスは、怒りに震え契約を破棄する。「子供だけは守る」という唯一の信念を貫くため、独自の捜査を開始したアレックスは、財閥や大富豪を顧客とする、巨大な人身売買組織の存在を突き止める──。
監督:マーティン・キャンベル
脚本:ダリオ・スカーダペイン
出演:リーアム・ニーソン
ガイ・ピアース モニカ・ベルッチ
レイ・スティーヴンソン
制作年: | 2022 |
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2023年5月12日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー