伝説化した最恐ホラー少女の正体は？続編『エスターファースト・キル』26歳が10歳を演じる！ 14年を経て同じ俳優が主演

映画

2023.03.30

ライター：#杉山すぴ豊

伝説化した最恐ホラー少女の正体は？続編『エスターファースト・キル』26歳が10歳を演じる！ 14年を経て同じ俳優が主演 — 『エスターファースト・キル』© 2021 ESTHER HOLDINGS LLC and DC ESTHER HOLDINGS, LLC. All rights reserved.

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あの最恐少女が帰ってきた

『エスターファースト・キル』は2009年に公開されたホラー『エスター』の13年ぶりの“続編”です。アメリカでは2022年公開、日本では今年公開なので、日本に限っていえば14年ぶりとなります。

結論から言いましょう。本作は、1作目の『エスター』を観ていなくても十分に楽しめます。

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ホラーアイコンとなった少女エスターの前日譚

まず『エスター』とは、いかなる作品か？本作の原題は『Orphan（孤児）』です。そう、エスターという9歳の孤児／少女が主人公。しかし、彼女が恐怖の体験をするというわけではない。彼女自身が恐怖の存在なのです。つまりエスターをひきとった家族が体験する、恐ろしい事件を描きます。果たしてエスターとは何者なのか？そして、その動機とは？

『エスター』は、そのストーリーの面白さ、なによりも主人公キャラのインパクトで、ファンの間で話題になった作品でした。それを受けての『エスターファースト・キル』です。

なぜ、ここまで月日がたってから続編が作られたのか？その経緯はわかりませんが、最近『ハロウィン』や『チャイルド・プレイ』『スクリーム』のような往年のホラー映画が続々とリメイクされて人気を博しているという事情もあるかもしれません。

また『エスターファースト・キル』は、もともとアメリカでの配信サービス用の映画として企画されたようです。ある程度、知名度＆人気のあるホラー・コンテンツなら配信向きですよね。結果的に配信だけでなく劇場公開もされたようですが、いずれにしても前作同様高い評価を受けています。

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観客を裏切る“ひねり”の効いたサプライズ展開

さて“続編”と書きましたが、内容的には前日譚です。この『エスターファースト・キル』では前作で断片的に語られた彼女の過去がしっかり描かれます。その過去とは、「エスターはロシア系の子で、かつてエストニアにいたことがある」「アメリカの家族はエスターを除いて火事で死んでしまった（だからエスターは孤児院に預けられた）」というものです。

エスターを預かった家族に悲劇が起こるという展開は前作と同じパターンなのですが、話の途中ですごい捻りがあるんですね。だから前作の焼き直しだろうと高をくくっていると、かなりのサプライズ！そして前作を観ていない人も、この展開には唸ることでしょう。

正直、前作の完成度がすごく高かったので、続編を作るのは蛇足では？と思っていたのですが、そこを逆手にとって観客の予想を裏切る驚きの物語に仕立ててくれました。一方、前作以上に人が殺されるのでスプラッター物としても過激さはアップです。

このエスターという人物は、すごく頭が良く、とてつもなく邪悪な存在なのですが、ある感情を持っているが故に冷酷な殺人マシーンになりきれないところがある。本作においても、その感情のせいでエスター自身もどろ沼にはまっていきます。このエモーショナルな要素は前作以上に切なく描かれているので、よりエスターに感情移入できるところが本作のポイントでしょうか。

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10歳の主人公を現在26歳の俳優が再演

しかし、なによりも驚きなのは14年前と同じ俳優がエスター役を演じており、さらに前作より少し若い設定ということ！（笑）

エスター役のイザベル・ファーマンが前作に出演した時は実年齢とキャラ年齢がほぼ同じでしたが、今回は撮影時23歳だったイザベルが10歳のエスターを演じています。しかも、デジタルをガンガン使って若返らせたのではなく、遠近法を使った撮影やメイクでエスターを再現・再演したそうです。愛らしさと不気味さ、天使と悪魔、幼さと妖艶さという様々な顔を見せてくれます。

繰り返しになりますが、前作を観ていなくても全く問題なく楽しめます。ただ、せっかくだから前作を観ておこうかなという気持ちが少しでもあったら、本作を観る前に前作『エスター』をご鑑賞することをお勧めします。

というのも『エスター』は、終盤で明かされる“彼女の正体は？”というところが面白かったわけです。『エスターファースト・キル』は、その正体がわかっている前提でお話が進むので。

ということで、ホラー映画史に残るスーパー女子エスターの活躍を、ぜひ楽しんでください。あ、映画を観た後はちょっとスムージーが飲めなくなるかも？要注意です（笑）。

文：杉山すぴ豊

『エスターファースト・キル』は2023年3月31日（金）よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

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『エスターファースト・キル』

2007年、アメリカで暮らすオルブライト家は、4年前に6歳で行方不明となった愛娘エスターの失踪事件に今なお心を痛めていた。そんなある日、エスターが保護されたという思いがけない知らせが夫妻のもとに届く。この奇跡のような出来事を手放しで喜ぶ一家。また、あの幸せな時が帰ってくるー。

驚くほど成長したエスターは聡明で才能も豊か。画家の父親に昔以上にべったりだった。娘の失踪以来、塞ぎ込んでいた父親のアレンはエスターと一緒にアトリエにこもって創作に没頭するうちに生気を取り戻していく。だが、エスターの捜索を担当してきた地元の刑事ドナンが、彼女の挙動に不審の目を向ける。そして時を同じくして母親のトリシアは少しずつ気づくのだった。帰ってきた娘が「どこか変だ」ということに。

監督：ウィリアム・ブレント・ベル
脚本：デヴィッド・コッゲシャル

出演：イザベル・ファーマン　ジュリア・スタイルズ
　　　ロッシフ・サザーランド　マシュー・アーロン・フィンラン

制作年：	2022

2023年3月31日（金）よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

公式サイト

伝説化した最恐ホラー少女の正体は？続編『エスターファースト・キル』26歳が10歳を演じる！ 14年を経て同じ俳優が主演