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ワケありサンタが悪人を“徹底的に殺る”『バイオレント・ナイト』デヴィッド・ハーバー主演 ✕ 87ノース制作

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ライター:#杉山すぴ豊
ワケありサンタが悪人を“徹底的に殺る”『バイオレント・ナイト』デヴィッド・ハーバー主演 ✕ 87ノース制作
『バイオレント・ナイト』© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

観る映画を選ぶ際、どの俳優が出ているか? 監督は誰か? というのは大きな判断材料ですが、どの会社が作っているか? というのも大きなポイントになる時があります。

ピクサー、イルミネーション、日本でいえばジブリみたいなアニメ制作会社は特にブランド化しています。実写で言えば、スピルバーグ印のアンブリンなんかもそうですが、最近とくに映画ファンの中で注目されている会社と言えば、やはり<A24>でしょうか? そしてホラー映画好きにとっては、やはり『透明人間』『ブラック・フォン』の<ブラムハウス>ですね。

こうした中、ひょっとすると“アクション映画界におけるブラムハウス”的ポジションを穫れそうなのが、<87ノース・プロダクション>です。アクション映画畑のデヴィッド・リーチ監督と、その妻でプロデューサーのケリー・マコーミックが立ち上げました。デヴィッド・リーチはスタントマン出身の監督で、『アトミック・ブロンド』『デッドプール2』『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』を担当、最近ではブラピの『ブレット・トレイン』のメガホンをとっています。ケリー・マコーミックも、こうした作品にプロデューサーとして関わっています。

87ノース・プロダクションの1作目は、ボブ・オデンカーク出演の『Mr.ノーバディ』。その後、Netflixの『ケイト』(メアリー・エリザベス・ウィンステッドが女暗殺者を演じる。浅野忠信、國村隼、MIYAVIら日本人キャストも出演)、『ブレット・トレイン』を経て、今回ご紹介する『バイオレント・ナイト』となります。

『バイオレント・ナイト』© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

『ストシン』『ブラック・ウィドウ』のデヴィッド・ハーバー主演

これまでの87ノース作品も、過激なアクション描写を盛り込みながらも、どこかギャグっぽいところがありました。本作はそのギャグっぽさが、さらに全開。どの映画サイトでも、本作を紹介する時は“ブラックジョーク映画”、“アクションコメディ”みたいに分類しています。

それもそのはず、クリスマスの夜にサンタクロースが閉鎖された状況の中で傭兵と戦う……というプロットなのですが、普通だったら元刑事とか軍人がたまたまサンタのコスプレをしていた時に事件に出くわす、みたいな展開になりますよね? しかし、この映画は違うのです。“本当のサンタクロース”が傭兵たちと戦うという、思わず「!?」となるお話なのです。

『バイオレント・ナイト』© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

このサンタ役を『ストレンジャー・シングス 未知の世界』 のジム・ホッパー、『ヘルボーイ』(2019年)のヘルボーイ、そして『ブラック・ウィドウ』のレッド・ガーディアンことアレクセイ役で知られるデヴィッド・ハーバーが演じます。

まるで『ダイ・ハード』な不謹慎サンタ・アクション

1000年以上も活躍してきたサンタクロースがいました。しかし最近の子どもは生意気になるばかり。彼は今年限りでサンタを辞めようと思っています。そして、あるお金持ちの家=豪邸にプレゼントを配るため入り込みますが、そこはテロリスト=傭兵たちに侵入され絶体絶命の状況でした。サンタはその家のパーティに参加していた少女と密かに連絡をとりながら傭兵たちと戦います。端的に言うと『ダイ・ハード』×『ホーム・アローン』。

『バイオレント・ナイト』© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

『Mr.ノーバディ』でも色々なトラップを仕掛けギャングたちをやっつける、バイオレンス版『ホーム・アローン』みたいなノリがありましたが、それをさらにエスカレートさせた感じです。ただし悪人を懲らしめるなんてレベルではなく、徹底的に殺していきます。

このサンタは空飛ぶトナカイのソリに乗っていて、無限にプレゼントを取り出せる不思議な袋と、その相手が良い子かどうかを表示する魔法のリストを持っています。というわけで魔法の国の住人であり、普通の人間ではありません。ただし、特にスーパーパワーを持っているわけでもない。怪力でタフですが撃たれたら死んでしまうし、血も流すので不死身ではなく、唯一持っている超能力は瞬時に煙突の中を移動できることくらいです。

『バイオレント・ナイト』© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

なので“サンタクロースVS傭兵”も一方的な戦いにならず、サンタも苦戦。ネタバレになるのでこれ以上は書きませんが、このサンタ、実はちょっとワケあり。必ずしも“聖人”ではないんですね。繰り返しになりますが、キャストやネタも含め『ダイ・ハード』や『ホーム・アローン』シリーズへのオマージュも多い。

サンタクロースが殺しまくる映画としては、『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』みたいなホラー映画はありました。ですがサンタクロースに扮した殺人鬼の凶行を描く作品なので、“サンタそのものが殺人鬼”というわけではなかった。しかし、この『バイオレント・ナイト』の場合、サンタ本人が敵を殺すので、不謹慎きわまりない(笑)。けれど悪人どもがバタバタ倒されていく、痛快バイオレンス活劇になっています。加えてデヴィッド・ハーバーのユーモラスな演技が本作をいい感じでコメディに仕上げています。

『バイオレント・ナイト』© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

全米公開はドンピシャのクリスマス公開ですが、日本ではバレンタインのタイミングでリリース。アクション・ヒーローとしてのサンタの活躍を応援しましょう。87ノース・プロダクション、これから何をやらかしてくれるのか楽しみです。

文:杉山すぴ豊

『バイオレント・ナイト』は2023年2月3日(金)より全国ロードショー

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『バイオレント・ナイト』

物欲主義な子供たちに嫌気がさして久しく、少しばかりお疲れ気味のサンタクロース(デヴィッド・ハーバー)は、体に鞭を打ち良い子にプレゼントを届けるため、トナカイが引くソリでクリスマスイブの空を駆け回っていた。とある富豪ファミリーが盛大にクリスマスパーティーを開く豪邸に降り立ち、煙突から部屋へ入ったサンタが偶然鉢合わせたのは、金庫にある3億ドルの現金を強奪するため潜入したスクルージー率いる武装集団だった。その場を見なかったことにして立ち去ろうとするサンタだったが、すぐさま大騒動に巻き込まれてしまう。サンタはクリスマスプレゼントを届ける能力は備わっていたものの、戦闘能力はゼロだった。ましてや相手は武装集団。多勢に無勢の大ピンチを孤軍奮闘切り抜け、無事子供たちにプレゼントを届ける事が出来るのか!?

監督:トミー・ウィルコラ
出演:デヴィッド・ハーバー ジョン・レグイザモ
   アレックス・ハッセル アレクシス・ラウダー

制作年: 2022