2023年の目玉『マンダロリアン』S3
ディズニープラスで2023年3月1日から日米同時配信される『マンダロリアン』シーズン3の最新予告編が解禁となりました!『マンダロリアン』はスター・ウォーズの世界を舞台にしたドラマシリーズの先駆け(シーズン1の配信開始は2019年)であると同時に、昨今のスター・ウォーズ人気を盛り上げた(復活させた)立役者でもあるのです。
物語の時代設定は『スター・ウォーズ:ジェダイの帰還(エピソード6)』から5年後、『スター・ウォーズ:フォースの覚醒(エピソード7)』の25年前とされています。つまり銀河帝国は倒されたが、まだ戦後のドタバタは続いており、帝国の残党はくすぶっているし共和国の統治も完全ではないという混乱の時代です。こうした中、賞金稼ぎとして銀河を放浪する主人公、ディン・ジャリンの冒険を描きます。
『マンダロリアン』シーズン1~2おさらい
ディン・ジャリンは高い戦闘スキルを持ち、特殊な教義によって生きるマンダロリアンの一人。したがって“マンダロリアン野郎”みたいな意味で「マンドー」と呼ばれています。マンダロリアンとは惑星マンダロアに拠点をおく武闘派集団です。彼らの特徴はベスカー鋼とよばれる金属で造ったヘルメットとアーマーを装着していること。このベスカー鋼はブラスター(光線銃)の攻撃もライトセーバーの刃もはねのけます。
そして、決して人前でヘルメットをとってはならない=素顔を見せてはならない、という掟があります(なおディン・ジャリンを演じているのはペドロ・パスカル。この設定上ほとんど素顔をみせないわけですが、とにかく声がかっこいい)。彼らの教義を現わす有名な言葉は“我らの道(this is the way)”です。
このマンダロリアンのヘルメットとアーマーは、映画版に出てくるジャンゴ・フェット/ボバ・フェットを思わせます。つまりジャンゴも、もともとはマンダロリアンだったわけですね(ボバはジャンゴのクローンですから)。
『マンダロリアン』シーズン1~2ではディン・ジャリンがふとしたことから、あのヨーダと同族の幼児ザ・チャイルド(後にグローグーという名であることがわかる)と出会い、この子を帝国軍の残党から守るため戦います。しかしシーズン2の最後で、やはりグローグーはジェダイとしての道を歩むべきだと考え、この子をルーク・スカイウォーカーに託します。
その時、掟を破ってヘルメットをとり素顔をグローグーに見せるのですね。この別れはなかなかエモーショナルです。そしてシーズン3へ……となるわけですが、実は同じくディズニープラスの『SW』ドラマシリーズ『ボバ・フェット』の終盤のエピソードに、ディン・ジャリンが登場します。
ディン・ジャリンはボバ・フェットを助けるため彼の戦いに参加しますが、そこでディン・ジャリンを助けるべくグローグーがやってきます。グローグーはジェダイではなくマンダロアとしての道を選んだのです。というわけで、シーズン3は再びディン・ジャリンとグローグーがバディとなった状況で話が始まります。
シーズン3最新予告編みっちり解説!
さて、このたび公開された『マンダロリアン』シーズン3の予告編ですが……
冒頭から10秒目ぐらい。ディン・ジャリンの語りでわかるように、マンダロリアンは銀河の各地に散らばっているようです。そうした中、マンダロリアンの存在価値=自分たちがすべきこととは? を問いかけています。このシーン、沢山のマンダロリアンがいてワクワクしますね。
そして13秒目から、グローグーをマンダロリアンとして育てようとしているのがわかります。ちなみにディン・ジャリンは『スター・ウォーズ:ファントム・メナス(エピソード1)』のナブー・スターファイターをベースにした宇宙戦闘機にのっていますが、かつてR2-D2が乗っていたコックピットにグローグーがいますね。
24秒目「(マンダロリアンになるには)銀河の航海術を身につけろ」は、もちろん宇宙パイロットとして銀河を航海するスキルを身に付けろということでしょうが、「銀河をうまく導け」と言っているようにも聞こえます。つまり銀河をあるべき姿に導くのがマンダロリアンの存在価値ということなのでは?
30秒目、この木の上にいる生き物は『スター・ウォーズ:ジェダイの帰還(エピソード6)』でジャバ・ザ・ハットのペットだったコワキアン・モンキー=リザードです。ディン・ジャリンのことを「こいつめ、こいつめ」みたいに指さしているのをみると、彼の仲間であるボバ・フェットがジャバの後釜についたことを知っているのかな?(笑)。ここで彼が握手するのは、ディン・ジャリンのかつての仕事仲間で盟友となるグリーフ・カルガ。『ロッキー』のアポロことカール・ウェザースが演じています。
44秒目から47秒目にかけて。なんとディン・ジャリンが惑星マンダロアに戻ることが示唆されます。シリーズを通じて、この星がちゃんと描かれるのは初めてかな。47秒目の「罪を許してもらうために」の“罪”とは恐らく掟を破りグローグーに素顔を見せたことでしょうか?
53秒目から55秒目。これは今回のポイントだと思うのですがディン・ジャリンたちと仲のいいメカニックが「フォースと共にあれ!」と見送ります。スター・ウォーズにおける有名なセリフですよね。しかし、これはジェダイの言葉です。それに対し「我らの道」という言葉を被せている。先にも書きましたが、これはマンダロリアンの教義です。つまり、ここでグローグーはジェダイでなくマンダロリアンの道を選んだということが強調されているわけです。
56秒後以降、この花火と都市の感じ! この星は銀河共和国の首都惑星コルサントでしょうか? なぜ彼らはコルサントに行ったのか? 今までの『マンダロリアン』は治安が悪い=中央政府から見放された辺境惑星が主な舞台でした。ここでいきなり銀河の中央とは? なにが起こった!? それを裏付けるのは1分2秒目に登場する「危険な状況だ。このまま悪化すれば手遅れになる」というセリフ。この言葉の主はシーズン1からちらっと登場していたカーソン・テヴァという人物で、共和国のXウイング・スターファイターのパイロットです。果たして彼の懸念とは? 帝国、いやファースト・オーダー台頭の予感?
1分9秒目、おお!ジェダイ登場です。これはジェダイの騎士たちが闇落ちしたアナキン・スカイウォーカーに殺された時のこと、ないしオーダー66によるジェダイ虐殺?(つまり過去=グローグーの記憶のフラッシュバック?? 1分11秒目にはタイ・ファイター! やっぱり帝国軍が力をつけてきた!
1分18秒目、この予告で最もワクワクするシーンです! マンダロリアン・アーマーの特徴であるジェットパックを使った見せ場! 一体マンダロリアンたちは何と戦っているのか? 1分23秒目、この小さな生き物は『スター・ウォーズ:スカイウォーカーの夜明け』でC-3POを魔改造したバブ・フリックと同じ種族(アンゼラン)でしょうか?
そして1分27秒目、「我らの道」というマンダロリアンの言葉とともにグローグーがフォースを使う! ……いやあ、すごい予告編篇です。そもそも傑作の『マンダロリアン』ですが、この予告だけでもシーズン3が非常に楽しみです。
文:杉山すぴ豊
『マンダロリアン』シーズン3は2023年3月31日よりディズニープラスにて日米同時配信開始