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スタローンが真正面から突撃する映画にハズレなし!愛で地球を救う前に、まずは近所のガキを救う ヒーロー映画に一石を投じる『サマリタン』

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ライター:#“DIE”suke
スタローンが真正面から突撃する映画にハズレなし!愛で地球を救う前に、まずは近所のガキを救う ヒーロー映画に一石を投じる『サマリタン』
『サマリタン』©︎2022 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

皆さん、唐突だが自らの価値基準をどこに置いているだろうか?
金、名声、地位、家族…
世の中、そういうもんに重きを置く人が多い。
だが一回きりの人生…それだけではロマンに欠けるじゃないの⁉︎と。
じゃあ何に重きを置くのよ?と聞かれたら、こう答えたい。
やはり、スタローン的であるか、否か。
これこそが重要なのではなかろうか!?

具体的に言えば、近所のガキのためにゴミ収集車で悪党のアジトへ真正面からカチコミできるかが人の価値を決める!
なかなか生きづらい社会ではあるが、優先すべきはスタローン
そんな明確なアンサーをスタローンが世の中に叩きつける作品———それがAmazonプライム・ビデオで配信されている『サマリタン』だ!!

姿を消した伝説のヒーロー『サマリタン』を絶賛推している少年のお隣さんは、件の伝説の超人なのか?それともタダのスタローンなのか?が主なあらすじの本作。
ジャンルが例えヒーロー映画であろうと、スタローンその人が真正面から突撃する映画にハズレはない!と改めて観る者に思い知らせてくれるだろう。

かつてスタローンとコミック原作映画の組み合わせといえば主演作品の『ジャッジ・ドレッド』『バレット』、脇役として出演した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』、更には声だけ出演した『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』がパッと思い浮かぶ。
意外とコミック原作と縁があるスタローンだが、ほとんどが比較的人間ベースの役柄であった。

しかし本作では満を持して超人パワーを持つ鋼鉄の男を演じている。
今までの彼の作品を見ていると、『そもそもスタローン、超人である必要ないじゃん!』と思われる向きもあるかもしれん。
かくいう俺も製作開始の報を聞いた時、そんな穿った見方をしていたフシがありました。
何せスタローンという俳優は他のジャンルを劇的に薄めるほどの濃さがある。
まあスタローン成分濃いめでも俺は飲むよ!みたいなスタンスだったのだが、いざ蓋を開ければ彼の哀愁演技と超人アクションが絶妙にフュージョン!
壊すのは簡単だが直すのは難しい、過去に過ちを犯しても人はやり直せる、人間は善悪の二元論では簡単に割り切れない…という劇中のベタかつシンプルなメッセージは、昨今の世界観が拡大しまくっているヒーロー映画に一石を投じている。

とはいえ、救えぬ外道には手加減なしで暴力を行使!!
良い感じのメッセージをさっきまで放っていたものの「それはそれ!これはこれ!」の精神がキラリと光っているのも見逃せない。
近所のガキンチョの為、悪党相手に超人パワーを炸裂させまくる姿に目を見張ってしまうだろう。
まさにスタローンだからこその説得力が作品に満ちている。

『サマリタン』©︎2022 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

ヒーロー映画としても『ローガン』『アンブレイカブル』『スーパー!』『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』等々…世界の危機より半径5m以内、あるいは町内の危機を救うヒーローを哀愁たっぷりに描いていたが、それらの作品群と比較しても遜色ない作品だ。
愛で地球を救う前に、まずは近所のガキを救う大切さを教えてくれる。

このように『オーバー・ザ・トップ』以来のショタスタ(ショタ×スタローン)、ヤケクソなトラック突撃を披露しているのもファンとしては見逃せないポイントであるが、露骨な過去作のオマージュではなく、あくまで現在のスタローンで勝負しにきている意味でもグッとくる。
また、サマリタンの生存を信じ続ける少年サムの姿は、低迷期のスタローンを応援し続けた過去の自分を投影してしまった。
おそらく生粋のファンほど、劇中のスタローンと少年のやりとりがイチイチ泣けてくる。

ともすれば本作の最初の展開でスーパーストロングマシンに対して「おまえ平田だろ!」と叫んだ藤波辰爾みたいな気分になる人もいるかもしれん。
だが最後には「いや、おまえは平田じゃない!スーパーストロングマシンだ!」と叫び直すことになるだろう。
現実だと不特定多数からの称賛を得るためだけに、口では弱者の味方のフリをするファ〇ク野郎を目にする機会が多い。
だが、本作のスタローンは違う。
ぶっきら棒ながらも、自分を信じてくれた生意気なガキンチョ1人の為だけに不言実行を貫いていく。
承認欲求が先走る我々現代人は、本作のスタローンの姿勢から見習うべきところが多い。

『サマリタン』©︎2022 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

ヒーロー映画としても、スタローン映画としても、一粒で二度美味しい本作。

人生万事塞翁がスタローン。
そんな古事成語…否、史泰龍(スタローン)成語が思わず観賞後に頭に浮かぶ作品だ。
劇場のデカいスクリーンで見れないのは惜しいが、限定的ではあるものの『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』も劇場公開されたし、そこはイーヴンてことにしようや!な⁉︎
『おくりものは伊藤ハム』と一世風靡したスタローンだが、伊藤ハムを配信に変えて老若男女に届けたと納得しよう。そして本作観賞後、是非心にスタローン精神を宿して欲しい。

文:DIEsuke

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『サマリタン』

13歳のサム・クリアリー(ジャボン・“ワナ”・ウォルトン)は、隠れるように生活を送るミステリアスな隣人、ミスター・スミス(シルベスター・スタローン)が実は25年前に死んだとされる伝説の人物ではないかと疑っている。犯罪が増加し、今にも町が荒れ果てそうになるなか、サムは町の荒廃を阻止すべく、身をひそめる隣人を誘い出そうと奮闘する。

監督:ジュリアス・エイヴァリー
出演:シルベスター・スタローン、ジャボン・“ワナ”・ウォルトン、ピルー・アスベック