怖すぎ! アメリカの有名な怪談話に登場する女幽霊
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』は、アメリカでは割と有名な怪談話(幽霊伝説)を『死霊館』シリーズ(2013年~)のジェームズ・ワン監督がプロデュースして作り上げた新作ホラーです。
「ラ・ヨローナ」とはメキシコ語で“泣く女”という意味であり、ある悲劇があって子どもの魂を求めて現れる白い女の悪霊です。英語では「Weeping Woman」、その外見から「Woman in White」とも呼ばれるそうです。人気ドラマ『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』(2005年~)の記念すべき第1話に登場する幽霊も、明らかにラ・ヨローナをベースにしています。このエピソードでは「Woman in White」と呼ばれていました。
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』は1973年を舞台に、このラ・ヨローナに2人の子どもを狙われたシングル・マザーの恐怖と戦いを描きます。……こう書くと地味っぽい映画に聞こえるかもしれませんが、とんでもない。クライマックスは一軒家を舞台に“泣く女VS 家族”の壮絶バトルが描かれます。
怪談×アクションの見事な融合。しかし、決して血しぶきがとぶようなグロい描写はないので、お化け屋敷感覚で楽しめるでしょう。
最高の恐怖を提供、誰が呼んだか『死霊館』ユニバース!
『死霊館』シリーズもそうなのですが、こうした悪霊・魔物の類は、人間の恐怖心がパワーの源であり、人間の心が壊れた時にいっきに襲い掛かってくる……という設定なので、前半はジワジワとくる幽霊ホラー。後半は一気に怪異がおしよせるアクションものとなります。
1973年という時代設定もよくて、つまりスマホやインターネットがまだ“ない”時代なので、デジタルで情報を集めたり、助けを求めたりできないのです。
実は、本作は『死霊館』シリーズの世界観の中の話です(それがわかるシーンは観てのお楽しみ)。物語の系列的には(公開順ではなく物語的の時代設定で考えると)、
『死霊館のシスター』(2018年)
『アナベル 死霊人形の誕生』(2017年)
『アナベル 死霊館の人形』(2014年)
『死霊館』(2013年)
『アナベル 死霊博物館』(最新作:2019年9月20日(金)公開)
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019年)
『死霊館 エンフィールド事件』(2016年)
となります。アベンジャーズ系映画のマーベル・シネマティック・ユニバースと並ぶ“死霊館ユニバース”ですが、1つ1つの作品は独立したホラーなので、『ラ・ヨローナ ~泣く女~』から観ても楽しめます。
すごく怖いけれど後味は悪くない、ホラーエンタテインメント。本作を観ていると、例えば“トイレの花子さん”とか“口裂け女”をジェームズ・ワンがプロデュースしたら面白いかなと思いました。
去年のハロウィンは『死霊館のシスター』の悪魔尼僧に扮する人がいましたが、今年のハロウィンはラ・ヨローナのコスプレが多そうです(笑)。
文:杉山すぴ豊
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』は2019年5月10日(金)より公開
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』
ヨローナ。メキシコ発祥の古くから語り継がれる怪談に登場する呪われた“泣く女”。生き延びたければ、決して水に近づいてはいけない…。
制作年: | 2019 |
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監督: | |
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