トニー・スタークと共に成長し、肩の力が抜けて気難しく考えなくなった
https://www.youtube.com/watch?v=JWSBkLHR_OU
―撮影前にエンディングはご存知だったんですか?
エンディングと思っていても、あとになってそれがフェイクだと知らされることがあるんだ。マーベル映画ではよくあるんだけどね。ただ、この映画に関わる主要キャストはみんな制作陣と打ち合わせをしてきたから、だいたいは把握していたよ。おまけにありとあらゆるトリックやデバイスを用いて、ぎりぎりまで向上させていくから、他の映画よりも柔軟に作られていくんだ。
―なにかリクエストしましたか?
実は、僕自身は気むずかしい映画のファンではない。そんな僕からすると、ヒーロー映画がここまで重みを帯びてしまったのは、ちょっと皮肉なことだと思ってる。世界中のみんな、僕も含めてだけどあまりにも深く入り込んでしまっている。だから、もっと軽さを入れる余地があるんじゃないかと思っていた。
―1作目『アイアンマン』から、22作目『~エンドゲーム』までのトニー・スタークの変遷をどう思いますか?
トニー・スタークはキャラクターとして成熟していたから、いつでもファンやメディアの注目の的にならなくてもよくなった。皆、他のキャストやキャラクターたちにも興味を抱いてくれている。こういう点は僕自身の変化と同じだね。『アベンジャーズ』シリーズの現場で僕ら出演陣の関係がギスギスしていたとしたら、仲がいいフリをするためにはとてつもない演技力が必要だったと思う。実際にはお互いに親しみを感じているし、尊重し合っている。トニー自身も最初の『アベンジャーズ』(2012年)で自分よりもチームを優先した。あれは、トニーにとって初めての経験で、それからも成長を続けている。僕の人生とまったく同じタイミングというわけではないけれど、時間の経過に従って肩の力が抜けて、気難しく考えなくなったのは同じかな。
マーベルはテレビの演出家を使うほど人材不足なのかと思った(笑)
―『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』から『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『~エンドゲーム』と3作でタッグを組んだ監督のジョー&アンソニー・ルッソとの仕事はいかがですか?
はじめて会ったとき、二人はゴルフカートに乗ってやってきた。で、「ジョーとアンソニー・ルッソです」と自己紹介された。そのとき僕はアイアンマンのスーツを着ていて、どんな場面を撮っていたのか覚えていないけど、とにかく忙しかった。それで、「あ、どうも」って素っ気なく対応して。それからの人生で中心的な役割を担う二人との出会いだったから、もっと丁重にしておけばよかったと思う。跪いて、「あなた方と運命を共にする予感が致しております」とか(笑)。
―(笑)
同時に尊敬は勝ち取らなきゃいけないとも思う。マーベル映画においては、良い仕事をしないとメンバーに入れないんだ。ジョーとアンソニーは『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』で見事に実力を証明し、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』というそれまでのマーベル映画でもっとも重要な作品を任されることになった。スケールが大きいだけじゃなくて、トム・ホランド演じるピーター・パーカーを紹介するなど、とにかく野心的な映画だった。実際、過去5年においてMCUにこれほど大きな影響を及ぼした人たちはいない。
ただ、最初に会ったときは「なんだ、こいつら?」って印象を抱いたのは事実だ。「テレビ演出家だって?マーベルって、そこまで人材不足なのか?」って(笑)その後、世界でもっともお気に入りの監督コンビになるんだけどね。
―これがMCUのフィナーレとなっていますが、いまの心境はいかがですか?
人生の計画をきっぱりと立てる人がいるけれど、僕はだいたいのイメージしか抱いていない。そしてものすごく飽きっぽい。そんな僕がこれほど長く同じキャラクターを演じられたのは、それだけ満たされていたからなんだ。アベンジャーズの仲間たちはとても親密なグループであることも気に入ってる。僕ら役者は親しい関係を築いては、バラバラになるという生活に慣れているわけだけれど、『~エンドゲーム』のプロモーションで再会する機会を与えられて、とても嬉しいね。
インタビュアー:小西未来
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
最強を超える敵“サノス”によって、アベンジャーズのメンバーを含む全宇宙の生命は、半分に消し去られてしまった…。35億人の未来のために、そして“今はここにいない”仲間たちのために、最後にして史上最大の逆襲<アベンジ>に挑む。最強チーム“アベンジャーズ”の名にかけて──。
制作年: | 2019 |
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監督: | |
出演: |