祝! マッツ・ミケルセン生誕56年
北欧の至宝マッツ・ミケルセンが2021年11月22日に56歳の誕生日を迎える。CS映画専門チャンネル ムービープラスでは「特集:マッツ・ミケルセン誕生祭」と題して、マッツ出演の3作を放送。『残された者 −北の極地−』『永遠の門 ゴッホの見た未来』(共に2018年)はすでにご紹介済みなので、今回は10年前のマッツが拝める歴史劇アクション『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』(2011年)をオススメしたい。
18世紀フランスの小説家アレクサンドル・デュマの「三銃士」を『バイオハザード』シリーズ(2002年ほか)のポール・W・S・アンダーソン監督が痛快なアクション(コメディ)歴史劇に仕上げた本作。第24回東京国際映画祭のオープニング作品にも選ばれ、監督やミラジョヴォ、ローガンらが来日を果たした……ことを覚えている人は多くないかもしれない。
マッツ・ミケルセンほか必見の豪華キャスト
”歴史劇”というと堅苦しい人間ドラマが繰り広げられそうだが、本作は根強い人気の「三銃士」が活躍する、安心してファミリーで楽しめる貴重な娯楽作なので心配ご無用。なかでも特筆すべきは豪華なキャスティングで、欧州の名優たちがずらり勢揃いしている。
まず主人公ダルタニアンを演じるのはローガン・ラーマン。この翌年に『ウォールフラワー』(2012年)、いくつかファンタジー大作を挟んで『フューリー』(2014年)に出演という、子役出身らしい紆余曲折あるキャリアを歩んでいる永遠の若手だ。そして三銃士を演じるのはマシュー・マクファディン(アトス)、レイ・スティーヴンソン(ポルトス)、ルーク・エヴァンス(アラミス)。おそらく最も知名度が高いのはエヴァンスかと思うが、バッキンガム公爵を演じるオーランド・ブルームとの(某ホビット映画より早い)共演が楽しめる。
敵対側は、リシュリュー枢機卿をクリストフ・ヴァルツ、その腹心ミレディをミラ・ジョヴォヴィッチ、そして因縁の敵ロシュフォール隊長をマッツ・ミケルセンが演じるという重厚な布陣。そう、本作はマッツ者ならば観ておかなければならないマッツ映画でもあるのだ。中世風の衣装プラス眼帯でイヤミを言いまくるギラギラしたマッツはレアなので必見。
他にも、すでに本国では売れっ子だったジェームズ・コーデン、デビューしたてのガブリエラ・ワイルド、超人気ドラマ『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』(2020年~)に出演中のジュノー・テンプル、透明感ありすぎて透けて見えるイケメン俳優ことフレディ・フォックスなどなど、キャストを眺めているだけでも充分楽しめるはずだ。
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— Mads Mikkelsen Official (@theofficialmads) August 27, 2020
"Rochefort, who I played in The Three Musketeers is very elegant. He’d love to be at any film festival, so long as he’s starring in something with Roger Federer and Lionel Messi. He’s a master with the sword, as they are with the racket and the football." pic.twitter.com/KzXZxuvGC7
家族で安心! まったり楽しめる痛快歴史劇アクションコメディ
物語は、三銃士たちによるケイパーもの/アドベンチャー風に始まり、王妃の首飾りを巡ってダルタニアンが成長していく姿を描く方向にシフトしていく。登場人物は多めだが三銃士の物語を知らなくても問題ないように作られていて、要所にアクションを盛り込んで……というかアンダーソン監督は妻ミラジョヴォのため(?)に某マトリックスばりのアクションを脈絡なくぶっ込んできたりするので、基本的にずっとドタバタ展開とも言える。
とにかくケレン味を重視する監督だけに、マスケットやフリントロック式の銃の発射音、レイピアやサーベルのチャンバラ音、殴打するときのボカスカ効果音はマンガ的な気持ちよさ。監督が幼い頃に父親と一緒に観た「三銃士」映画への想いを込めたと映画祭で語っていたように、勧善懲悪、バイオレンス要素の少ない単純明快な物語は、お子さんと一緒でも飽きることなく観られるはずだ。
序盤は三銃士がミラジョヴォの存在感(妻贔屓による見せ場の多さ)に飲み込まれそうな瞬間もあるが、原作の大事な要素は一通り備えている『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』。終盤はマッツの出演シーンがグッと増えるので、マッツファンも三銃士ファンもぜひ鑑賞してみては。
『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』『残された者 −北の極地−』『永遠の門 ゴッホの見た未来』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:マッツ・ミケルセン誕生祭」で2021年11月放送
『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』
17世紀。まだ若いルイ13世が王位継承したフランスでは、リシュリュー枢機卿が権力を掌握しようと暗躍していた。憧れの銃士になるため田舎からパリに出てきた青年ダルタニアンは、そうとは知らず三銃士に決闘を挑む。その頃、謎の美女ミレディは、ある企みのために王妃の首飾りを盗み出し……。
制作年: | 2011 |
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CS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:マッツ・ミケルセン誕生祭」で2021年11月放送