「午後ロー」で3週連続放送『オーシャンズ』シリーズのあらすじと魅力！ ジョージ・クルーニーがゆるい詐欺師に

ジョージ・クルーニーと豪華配役による華麗なるコン・ゲーム

『オーシャンズ』シリーズは、ジョージ・クルーニー演じる詐欺師のダニー・オーシャンと11人の仲間が、大がかりな詐欺を繰り広げるエンターテインメント映画で、『オーシャンズ11』（2001年）、『オーシャンズ12』（2004年）、『オーシャンズ13』（2007年）と3本が作られた。

『オーシャンズ12』© 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

監督は2000年に『エリン・ブロコビッチ』でジュリア・ロバーツにアカデミー主演女優賞を与え、『トラフィック』で監督賞を受賞して波に乗っていたスティーヴン・ソダーバーグ（※2018年にはゲイリー・ロス監督による“女性版”『オーシャンズ8』が製作された）。

原案は1960年にルイス・マイルストンが監督した『オーシャンと十一人の仲間』。フランク・シナトラ演じるダニー・オーシャンが、ディーン・マーティン、サミー・デイビス・Jr.ら、第二次大戦の戦友たちとラスベガスのカジノを襲撃するというアクション娯楽映画だった。

シリーズざっと振り返り

『オーシャンズ11』は、ジョージ・クルーニーが刑務所から出てくるところから始まる。彼は愛妻テス（ジュリア・ロバーツ）を奪ったラスベガスのホテル王ベネディクト（アンディ・ガルシア）に復讐するため、彼が経営する3つのカジノの売上げが集まる巨大金庫から、ヘビー級タイトルマッチが行われる夜、1億6千万ドルを盗み出そうと計画する。

『オーシャンズ11』ダウンロード販売、デジタルレンタル中
ブルーレイ 2,619円(税込)／DVD特別版 1,572円(税込)
発売元：ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元：NBC ユニバーサル・エンターテイメント
© 2001 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

オーシャンの仲間は、右腕的存在のラスティ（ブラッド・ピット）、伝説的な泥棒の息子で、まだ駆け出しのライナス（マット・デイモン）、前科者のカジノのディーラー、フランク（バーニー・マック）、爆破の専門家バシャー（ドン・チードル）、ベガスのホテル経営者でオーシャンの恩師ルーベン（エリオット・グールド）、隠居中の天才詐欺師ソール（カール・ライナー）、FBIで働いていた情報通信機器の専門家リヴィングストン（エディ・ジェイミソン）、仲の悪い双子の兄弟バージル（ケイシー・アフレック）とターク（スコット・カーン）、中国雑伎団の曲芸師イェン（シャオボー・チン）の10人。オーシャンを入れて11人というわけだ。

『オーシャンズ11』
© 2001 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『オーシャンズ12』は、ベネディクトから2週間以内に1億6千万プラス利息を付けて返せと脅されたオーシャンが、再び仲間を呼び集め、今度はヨーロッパへ泥棒行脚の旅に出るも、彼らの前に“ナイト・フォックス”を名乗る泥棒貴族トゥルアー（ヴァンサン・カッセル）が現れ、ローマの美術館に展示されている“ファベルジェの卵”を盗み出す勝負を持ちかける。

『オーシャンズ12』ダウンロード販売、デジタルレンタル中
ブルーレイ 2,619円(税込)／DVD 1,572円(税込)
発売元：ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元：NBC ユニバーサル・エンターテイメント
© 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

ラスティの元恋人でユーロポールの捜査官イザベル（キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ）はオーシャンたちの目的に気づいて後を追う。一時的に窮地に陥ったオーシャンを助けるために、アメリカから助っ人に呼ばれたテスを加えて12人になる。

『オーシャンズ13』では、再びラスベガスに戻る。経営するホテルが必ず5つ星をとるホテル王バンク（アル・パチーノ）に裏切られたショックで倒れたルーベンの仇を討つため、オーシャンと仲間たちが、超豪華ホテル“バンク”のプレオープンに乗り込む。

『オーシャンズ13』ダウンロード販売、デジタルレンタル中
ブルーレイ 2,619円(税込)／DVD 1,572円(税込)
発売元：ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元：NBC ユニバーサル・エンターテイメント
© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

いつもの10人に、前作で登場したローマン（エディー・イザード）が天才的プログラマーとして加わり、ライナスの父親で伝説的な詐欺師コールドウェル（ボブ・アインシュタイン）で13人。

詐欺師らしからぬ計画の“ゆるさ”がスリルを煽る

『オーシャンズ』シリーズの特徴は、犯罪映画には珍しく、カー・チェイスや銃撃戦がまったくなく、コン・ゲーム（騙し騙されのドラマ）に徹しているところだろう。犯罪映画ではあるがアクション映画ではなく、息の合った演技の応酬とアッと言わせる頭脳戦で見せる。何といっても、映画の中心的役割を務めたジョージ・クルーニーのキャラクターと、ソダーバーグ映画の常連たちのアンサンブルによるバディ・ムーヴィー的な雰囲気が楽しい。

『オーシャンズ13』© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

コン・ゲームものとしては、『スティング』（1973年）のような胸のすく大どんでん返しはないし、オーシャンの立てた綿密なはずの計画にたびたびボロが出てハラハラさせられるが、この“ゆるさ”が『オーシャンズ』シリーズの一番の持ち味なのだ。配役も豪華で、このジャンルでこれだけのキャストを揃えるのは今では難しいだろう。

『オーシャンズ12』© 2004 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

文：齋藤敦子

『オーシャンズ』シリーズはテレビ東京「午後のロードショー」で2021年10月1日（金）、10月8日（金）、10月15日（金）13時40分から放送。